株式分割を発表して注目を集めているショッピファイ(SHOP)ですが(「ショッピファイ 株式分割を発表して株価上昇」)、同社の株を今すぐ買うべき理由はもっと別にあります。
eコマースは初期段階にあること
世界のeコマース業界の歴史は比較的浅く、ショッピファイにはそれを生かすチャンスがたくさんあります。Statistaによると、2021年の世界の全小売売上高に占めるeコマースの割合は19.6%でした。しかし、2025年には24.5%に増加すると予想され、その後も成長を続けると思われます。
世界のeコマースリーダーは、このように急速に拡大する業界の恩恵を受ける位置にあり、ショッピファイはそうしたリーディングブランドの1つです。同社は商品を直接販売するのではなく、企業の商取引活動を促進し、その過程で取引手数料や利用料を徴収しています。
同社の全顧客を合わせると、2021年には米国の全eコマース売上高の10%を占めています。これは、中小企業(SMB)がeコマース事業を構築するための主要なプラットフォームとしての同社のリーダーシップを示すものです。
SMB領域はあまり旨味のない市場であると考えられがちですが、それは大きな間違いです。同社は、このニッチ分野における同社の獲得可能な市場の総額は1,600億ドルに相当すると推定していいます。
中小企業向けプラットフォームを展開
ショッピファイは、中小企業向けのオールインワン・ソリューションを開発し、その事業拡大を支援することで、主要なプラットフォームとなりました。ショッピファイは、eコマースストアの開設からマーケティングまで、あらゆる製品を提供しています。さらに、ショッピファイ・キャピタルのようなサービスもあり、企業は成長資金を融資してもらうこともできます。
アマゾンとは異なり、ショッピファイのインセンティブは顧客と一致しており、顧客がビジネスを拡大し続けることで利益を得ることができます。一方、アマゾンのプラットフォームで中小企業が成功を収めた場合、アマゾンが類似の競合製品を作って宣伝し販売するため、プラットフォームで繁盛することが難しくなると物議を醸しています。
ショッピファイは、そのような流れで商品を販売しません。むしろ、マーチャントの成功を支援することが唯一の仕事です。ショッピファイの売上の大半は取引手数料であり、同社は顧客がより儲かることでより儲かるようになっています。
また、ショッピファイは革新的な技術を常に追求しており、新しいサービスや取り組みが頻繁に展開されています。最近では、中国最大のeコマースプラットフォームであるJD.comと提携し、国際的なビジネス展開をより容易にしました。現在、ショッピファイのマーチャントは、このサイトで販売することができ、巨大な市場に参入することができます。
同社はまた、企業がより簡単に製品を出荷できるよう、全米にフルフィルメント・ネットワークを構築しています。このような努力は、同社のプラットフォームをより強固にし、マーチャントの離脱を難しくしています。
割安な株価
ショッピファイが今魅力的に見える最後の理由は、その比較的安い評価額です。現在、同社は売上高の16倍で取引されていますが、この評価額は、2019年初頭以来、見たことがないものです。下落したのは主に、2022年上半期の見通しが弱かったためです。
株価が下落したもうひとつの理由は、同社の収益性です。ショピファイは2021年に29億ドルの純利益を計上しましたが、そのほぼすべてがアファームとグローバルEを保有する投資によるものです。それらの投資利益を除けば、同社の営業利益は2億6,900万ドルに過ぎません。
とはいえ、ショピファイは昨年、4億5,400万ドル近いフリー・キャッシュフローを生み出しています。長期的には、このキャッシュフローを利用して、プラットフォーム上でのマーチャント・エクスペリエンスの革新と改善を続けることができます。
同社の競争上の優位性、豊富な製品群、魅力的な評価額を考えると、今がショッピファイの絶好の買い場かもしれません。
*過去記事はこちら ショッピファイ SHOP