台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSM)が4月14日、2022年1~3月期決算を発表しました。
売上高は176億ドルで1株当たり1.40ドルの利益を計上。売上高は前年同期比36%増、前四半期比12%増となりました。
この結果はウォール街の予想を上回りました。アナリストは、売上高167億ドル、1株当たり1.35ドルの利益を予想していました。
TSMCは足元の6月期も好調だと見込んでいます。6月までの3カ月間の売上高は176億ドルから182億ドルになるとの見込みを明らかにしました。アナリストのコンセンサス予想は、売上高173億ドルとなっていました。
3月期についてはサーバーやスマートフォンに使う高性能半導体の需要が好調でした。主要顧客の米アップルが3月にiPhoneやパソコン「Mac」の新製品を相次ぎ投入したことも貢献しています。世界的な半導体不足が続くなか、年初から進めた値上げも業績拡大に寄与しました。
魏哲家CEOは同日開いたオンラインの記者会見で、現在の最先端半導体より2世代先の技術となる「2ナノ(ナノは10億分の1)メートル品」について「25年に量産する計画だ」と述べました。
4~6月期はサーバーなどの高性能演算向けがけん引して増収を見込んでいます。ただ、スマートフォン向けは季節要因で需要が減速するとの見通しを示しました。22年通年では21年に比べ25~29%かそれ以上の売上増を見込んでいます。
足元では中国におけるコロナの感染拡大やウクライナ戦争の影響を受けたサプライチェーンの混乱が懸念されています。顧客メーカーは不足が続く半導体の前倒し確保に動いており、魏CEOは「在庫水準は過去に比べ高い水準が長期間続く」と述べています。
22年の設備投資については21年に比べ4割強多い最大440億ドルを計画しています。
*過去記事「インフレに打ち勝つ3つの有力銘柄」