マルケタ 市場を上回るリターンをもたらすフィンテックの有望株

ResearchAndMarketsの最近のレポートによると、デジタル決済の世界市場は2030年まで年平均30%成長する可能性があると推定されています。しかし、金融テクノロジー業界は広範囲に及び、多くの企業で構成されています。この成長を確実に捉えることができる投資先として注目を集めているのが、決済ソフトウェア会社のマルケタ(MQ)です。

デジタル決済は、ネットショップで何かを買ったり、スマートフォンを決済端末にかざすだけでなく、経済全体に浸透しつつあります。車に乗るときや出前の注文をするときに利用されているだけでなく、デジタルバンク、お金の管理、両替、借入などにも新しい方法を提供しています。

こうした新しい金融ベースのテクノロジーはすべて、既存の決済ネットワークや銀行と連携して機能する必要があります。マルケタは、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)により、これらの接続を強化し、フィンテック企業がカスタム決済ソリューションを作成することを可能にします。

マルケタの顧客リストは広範囲で、以下のような分野の有名企業を含む様々な業界をカバーしています。

BNPL(Buy Now Pay Later 後払い決済):アファーム、アフターペイ、クラーナ
ライドシェア、フードデリバリー:ウーバー、ドアダッシュ
銀行:ブロック、コインベース、JPモルガンチェース

マルケタは、自社の技術で支援する各取引のわずかな割合を使用料として受け取り収益源としています。言い換えれば、マルケタは顧客とともに成長しています。これらの顧客の一部は急速に成長しており、それがマルケタの成長にも表れています。

トランザクション処理量と呼ばれる、同社が支援するトランザクションの総額は、2021年第4四半期に前年同期比76%増の330億ドルに達しました。これは純売上1億5,500万ドルに換算され、前年同期比76%増となりました。

上場以来、マルケタはさらなる成長のために投資し、従業員数を劇的に増加させました。アファームのDebit+ Cardや、コインベースの口座にある暗号資産を使い、キャッシュバックの特典を得ることができるCoinbase Cardなど、今後発売される製品で大口顧客のサポートに貢献しています。

同社の従業員数は過去2年間で360人あまりから789人へと2倍以上になりました。マルケタの「テクノロジー」費用は2021年には3倍近くに増え、2020年の1,300万ドルから3,300万ドルに増加しており、これはマルケタの採用の多くがエンジニアであったことを意味しているのかもしれません。

マルケタのビジネスは、2021年に営業費用の増加により1億6,400万ドルの損失を出しました。しかし、これは株式ベースの報酬を1億4,200万ドル支払ったためであり、企業が上場する際には多くのボーナスが支払われるため、新規株式公開(IPO)の際にはよく行われることです。今後、株式報酬は減っていくと考えられることから、売上が伸びていく中で、マルケタは黒字化に向かっていけるはずです。

IPOのプラス面は、現金が調達できることであり、マルケタは現在、現金と短期投資で17億ドルを持っています。これは、数年間、黒字化が進まなくとも会社を運営するのに十分な資金であり、投資家はその財務の健全性を好感しています。

昨年夏に上場したマルケタは、成長株全体が大きく下落した市場の影響を大きく受けています。株価売上高比率(P/S)はかつて42倍以上と割高でしたが、現在は大きく下落し、この1年の最高値からは70%も下がっています。

同社の時価総額は60億ドルで、現金と短期投資はその25%を占めており、現在のP/S9.6倍が示すよりもさらに割安なビジネスであることを示唆しています。

一方、マルケタは2021年第4四半期の決算で、四半期の売上成長が前年比76%と依然として好調であることを示すことができ、経営陣は2022年第1四半期の強いガイダンスを伝え、前年比50%の売上成長を予測しています。

マルケタは成長のために顧客の成功に依存しており、事業自体は利益を上げていないというリスクの高い投資先です。しかし、強い営業力を持ち、成長しながら損失を減らしていくことができるバランスシートを備えています。

その将来性を考えるならば11ドルという現在の株価はバーゲン価格だと思われます。同社が事業を遂行し続け、ビジネスを成功させれば、長期的に市場を打ち負かすリータンを投資家にもたらしてくれる可能性は高いと予想されます。

*過去記事はこちら マルケタ

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