エヌビディア(NVDA)の株価は今週、大きく上昇していますが、その勢いは来週も続きそうです。
来週3月21日から24日にかけてGTCと呼ばれる技術会議を開催し、ジェンスン・フアンCEOの基調講演は22日の同社の投資家デーと同時期に行われる予定です。
2021年11月に史上最高値を更新し、過去12ヶ月で100%以上株価が上昇しているにもかかわらず、今年に入って株価が一時13%も下落した同社にとって、このイベントは大きな意味を持っています。
同社は財務的なことを発表しない傾向があるため、焦点となるのは新製品の発表だと、シティのアナリスト、アティフ・マリック氏とアマンダ・スカルナティ氏は3月18日付けのメモで述べています。
シティのチームは、昨年のこの会議で、エヌビディアが強力な新型コンピュータ処理装置(CPU)「Grace」を発表して投資家を驚かせたこと、また人工知能ソフトウェアの収益化の見通しを高めたこと。また、重要なゲーム業界への販売に関する最新情報や、自動車業界からの契約パイプラインが80億ドルであることもプラス材料となったことを指摘し、GTCの重要性を評価しています。
マリク氏とスカルナティ氏は来週のGTCで4つの重要な展開があると予想しています。
1つ目は、データセンター向けの新しい5nmプロセッシングユニットの発表で、9月にはゲーム向けの5nmユニット、そして強力なCPUであるGraceのアップデートもありそうです。
2つ目は、メタバースに関するニュースで、エヌビディアの3D仮想世界シミュレーションおよびコラボレーションプラットフォームであるオムニバースは、産業界に広く応用されており、新たな機会が期待されています。
3つ目は、成長する中国の電気自動車産業と関連した販売パイプラインの最新情報です。昨年、自動車メーカーのNIO(ニオ)は、自律走行ソリューションの開発にエヌビディアのチップを使用するために提携しました。
4つ目は、投資家に焦点を当てたもので、自社株買いです。シティのチームは「投資家はアームの買収失敗の後、ある程度の自社株買いを期待している」と述べています。
マリク氏とスカルナティ氏はエヌビディアを「買い」と評価し、目標株価を350ドルとしています。3月18日の終値は264.53ドルでしたので、30%以上の上昇余地があると見ていることになります。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA