アマゾン・ドット・コム(AMZN)は3月17日、連邦取引委員会(FTC)が異議を申し立てなかったことを受け、84億5,000万ドルでのMGMの買収を完了したと発表しました。
同社は、4,000本の映画タイトルと17,000のテレビエピソードを含むMGMのカタログが、同社のストリーミングアプリ「プライム・ビデオ」に加わることを明らかにしました。
MGMの至宝と言われるのはジェームズ・ボンド・シリーズですが、その他にもロッキー(とマイケル・B・ジョーダン主演のクリード続編シリーズ)、ロボコップなどの人気シリーズがあります。MGMの社員、クリエイター、タレントは、プライム・ビデオとAmazon Studiosに加わることになります。
この契約により、アマゾンのストリーミングサービスは、AT&TのHBO Maxやウォルト・ディズニーのDisney+に対抗するために必要な力を手に入れました。
AT&TのHBO Maxには、ワーナー・ブラザーズ・エンターテイメントが提供する数十年分の映画コンテンツがあり、Disney+にはウォルト・ディズニー・スタジオの作品ライブラリがあります。
この契約が発表された5月の数週間後に、リナ・カーン氏がFTCの委員長に就任しました。カーン氏は過去にハイテク企業の大型合併やアマゾンに批判的であったため、投資家の中には、同委員会が今回の買収に反対するのではないかと考える人もいました。しかし、FTCが異議を唱えるための30日間が経過し、取引は成立しました。
FTCの広報担当者は、アマゾンとMGMの取引についてコメントを控えています。
今週初め、欧州連合(EU)の規制当局は、この取引が欧州経済領域における競争上の懸念を生じさせることはないだろうと述べていました。
*過去記事「アマゾン MGM買収へのアナリストの反応」