ハイテクセクターが大きく売り込まれたため、多くの銘柄が高値から大きく下落してしまいました。しかし、そのなかには本来の価値以上に下落し、売られ過ぎとなった銘柄が存在します。ハイテク株の見直しとともにバウンスバック、立ち直りが期待できる優良銘柄をモトリーフールがピックアップしていますので、ご紹介します。
マルケタ(MQ)
決済会社のマルケタは、2021年6月に1株27ドルで新規株式公開(IPO)をした新規公開株ということもあってか、大きく売り込まれてしまいました。非の打ち所がない素晴らしい業績をあげているにもかかわらず、株価は10ドルあまりで取引されています。
マルケタは、カード発行会社がカードの特性を柔軟にいじることができる技術プラットフォームを運営しています。これは、特定の注文を満たすためにマルケタを搭載したカードをドライバーに渡す食料品配達の新興企業から、法人顧客向けにマルケタ搭載のデジタルカードを提供する大手銀行まで、さまざまなアプリケーションに大いに関係しています。暗号通貨会社でさえも、顧客が暗号に裏打ちされた買い物をできるようにするためにマルケタを使用しています。
最近の第4四半期の業績報告では、マルケタはアナリストの予想を見事に上回り、総支払量(TPV)が108%成長したことで売上は76%急増しています。同社は、マージンが予想以上に拡大したため、調整後EBITDAベース(利払い、税金、減価償却前利益)でも驚きの黒字を計上しました。
マルケタはまた、次の四半期に48%から50%の力強い成長を遂げるとの見通しを明らかにしています。EBITDAは再びマイナスに落ちますが、これは、同社が技術や製品への投資を積極的に拡大し、東南アジアへの進出に力を傾注しているためです。マルケタはシンガポール、タイ、フィリピンで認証を取得したばかりで、これらの市場はデジタルバンキングがまだ浸透していない潜在力の高い市場です。
また、大手銀行のシティバンク(C)がシティの法人カード顧客をモバイルウォレットにトークン化することを決めており、この若い会社にとっては大きな成果です。
経営陣によると、マルケタは国内ではカード取引量の1%未満、海外ではそれ以下しか処理していないため、その成長の機会は非常に大きいと見ています。現在、時価総額64億ドル、現金17億ドル、無借金であるマルケタはマルチバガーになる可能性を持つ、将来有望な銘柄です。
*過去記事はこちら マルケタ
ラム・リサーチ(LRCX)
現在の半導体不足の環境を考えると、ラムリサーチがこれほど売られるのは驚きでした。ラムは、より多くの半導体を作るために必要なエッチング装置や蒸着装置の世界的な主要メーカー3社のうちの1社であり、需要は依然として旺盛です。
それでも、マクロ経済への懸念がラムに打撃を与えており、2021年後半に史上最高値を記録した後、今年に入って32%下落しています。実際、ラムは他の半導体装置銘柄よりもさらに売られており、利益のわずか15倍という前工程装置メーカーの中で最も割安な価格で取引されています。
それは、サプライチェーンの問題がラムをかなり苦しめているように見えるからかもしれません。経営陣は、前四半期に装置売上高の連続減少を記録し、来四半期の売上高も小幅な伸びにとどまるとの見通しを示しました。一時的な物流費高騰のため、実際、売上はガイダンスの中間値でわずかに減少する見通しで、投資家はこれを歓迎していません。
しかし、これらはすべて供給制約によるものであり、最終需要の減少によるものではありません。ラムの繰延収益、つまり将来的に収益を認識するための前払い金は、前四半期に比べて31.5%も増加し、大きく伸びました。
これは、最終的な需要があり、供給の制約が解消されれば満たされることを証明しているように思われます。ラムの経営陣は、2022年の半導体前工程装置産業は、昨年の800億ドル台半ばから1000億ドル超に成長すると見ています。
一方、ラムの非常に大きなサービス事業は、前四半期、機械の販売が抑制されたにもかかわらず、30%増と力強い伸びを示しました。前四半期の売上高の35%を占め、インストールベースと連動しているサービス事業の売上は、2年間の好況な機械の売上成長の後、力強く成長し続けるはずです。
トレーリング収益の15倍で取引されながら、今年20%以上の成長を遂げる可能性のあるラムは、お買い得であり、復活を遂げる有力な候補のひとつにあげることができます。
レンディングクラブ(LC)
レンディングクラブはここ数ヶ月、利益のない高倍率のフィンテック銘柄のように取引されており、株価が大きく下がっています。
しかし、昨年のラディウス・バンクの買収をきっかけに、レンディングクラブはデジタルネオバンクとなったため、典型的な高成長フィンテック・プラットフォームよりはるかに収益性が高くなっています。
実際、今年の収益予測のわずか11倍で、レンディングクラブは、大手マネーセンターバンクであるバンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェイス、ウェルス・ファーゴよりもさらに割安で取引されています。
経営陣は今年、約40%の売上成長、650%の利益成長を見込んでいますが、これは明らかに、大企業で低成長の伝統的な銀行よりもはるかにエキサイティングな数字です。
レンディングクラブが得意とする個人向けローンには引受リスクがありますが、レンディングクラブは先発企業であり、2006年にさかのぼるデータの優位性を持っています。
さらに、レンディングクラブは高利回り融資業者から、FICOスコアが良く、収入が10万ドル以上の借り手を持つ、よりプライムな融資業者へと変貌を遂げました。つまり、以前よりずっとリスクが低くなっているのです。
レンディングクラブは、前四半期の時点で125億ドルの個人向けローンを扱っており、これらは投資家の帳簿に保管されているか、自社で保有しているものです。また、レンディングクラブは自動車ローンの借り換えにも着手したばかりで、その市場規模はさらに大きく1兆4000億ドルにものぼります。
これまでよりリスクが少なくなり、目覚ましい成長を遂げるレンディングクラブは、明らかに売られすぎているように見えます。同社は、2022年の強力なバウンスバック候補の一つです。
*過去記事「2022年に購入したい注目の成長株3つ」