43%のアップサイドを持つ「Screaming Buy」のモンスター・メタバース株

「Screaming Buy」という英語の表現があります。絶好の買い場だから、絶叫するばかりに声を張り上げて「買い」だと触れ回りたい、といったときに使われますが、いままさにその言葉が使われている銘柄が、エヌビディア(NVDA)です。

エヌビディアの株価は今年に入って大きく下落しています。米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的な姿勢、エヌビディアが断念したアームの買収、最新の四半期決算が市場の支持を得られなかったことなどにより株価は年初から20%も下落しました。

しかし、アナリストの平均的な目標株価は現在346ドルで、2月25日現在で242ドルあまりの株価には43%の上昇の余地があると見ていることを示しています。

エヌビディアは2月16日に2022年度第4四半期の決算を発表し、売上高は前年比53%増の76億ドル、調整後の利益は69%増の1株当たり1.32ドルと、凄まじい数字を叩き出しました。この素晴らしい成長には、データセンター事業が重要な役割を果たし、同社の売上の43%を占めています。

データセンター事業の売上は前年比71%増で、その驚異的な成長の理由の1つはメタ・プラットフォームズ(FB)でした。

メタは先月、AI Research SuperCluster(RSC)の開発を発表し、今年半ばまでに完全に構築されれば、世界最速のAI(人工知能)スーパーコンピュータになるとしていますが、エヌビディアのGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)を使ってこのスパコンを動かしています。

メタは、RSCとの共同研究は、次の主要なコンピューティングプラットフォーム(AI主導のアプリケーションや製品が重要な役割を果たすメタバース)向けの技術構築への道を開くと考えています。

このスーパーコンピューターは現在、エヌビディアのA100データセンターGPU6,000個で駆動しています。エヌビディアによると、RSCは最終的に16,000個のA100 GPUを搭載し、より大きなAI性能の向上を実現する予定だそうです。

メタがメタバース構築のために昨年100億ドルを費やしたように、メタバースにおけるメタのパートナーであることは、エヌビディアに大きな利益をもたらす可能性があります。

エヌビディアがメタバースを構築し、利益を得るための準備を進めているのはこれだけではありません。エヌビディアのオムニバース・プラットフォームは、エンジニア、デザイナー、開発者が建物や製品の物理的に正確なデジタルツインを作ったり、ロボットや自律走行車の訓練用に巨大で真に迫ったシミュレーション環境を作ったり できるため、人気を集めています。

エヌビディアは11月に、このプラットフォームが700社以上に利用されていると発表しました。メタバースによって、より多くのシミュレーションされたデジタル世界のニーズが生まれるため、その採用はさらに増加すると思われます。第三者機関のレポートでは、デジタルツイン市場は2026年まで年率58%で成長し、金額にして480億ドルに達する可能性があると予測されています。

2022年に入り大きく下がったものの、エヌビディア株は決して安くはありません。株価は直近12ヶ月の利益の60倍、売上高の22倍で取引されていますが、S&P500の株価収益率は24倍、株価売上高倍率は2.85倍です。

しかし、エヌビディアが四半期ごとに記録してきた傑出した成長を考慮すると、エヌビディアの高い評価がそれを考慮して行われていることもうなづけます。そして、今のバリュエーションは、利益の90.6 倍、売上高の30.6 倍で取引されていた昨年からは大きく割り引かれています。

同社の急成長は今後も続くようで、ガイダンスによると、今四半期の売上高は前年同期比43%増の81億ドルに達する見込みです。さらにアナリストは、エヌビディアの素晴らしい勢いは少なくとも今後5年間は続くと予想しており、その間の年間売上成長率は34.7%と予測されています。メタバースでのチャンスが増えれば、エヌビディアは長期的にさらに速い売上成長を記録することができます。

メタバース関連銘柄をポートフォリオに加えたいと考えている投資家にとって、エヌビディアは今、その有力な選択肢になっています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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