シー・リミテッド(SE)の株価が2月14日に暴落し、一時19.2%もの急落を記録しました。午前11時15分(米国東部時間)現在、株価は15.3%下落しています。
電子商取引、デジタル決済、ゲームなどの事業を展開するシーを急落させたきっかけは、インドが、同社の最も成功したモバイルゲームを禁止したという報道でした。
ブルームバーグの報道によると、シー・リミテッドの最も人気のあるゲームタイトルである「フリー・ファイア」が、インドで禁止されているアプリのリストに含まれていたとのことです。インドの電子情報技術省は、セキュリティ上の懸念を理由に、中国発とされる計54のアプリを禁止しています。
そのリストには、知名度の高い中国企業のタイトルも多数含まれていました。アリババ(BABA)、テンセント・ホールディングス、ネットイース(NTES)はいずれも多くのアプリがブラックリストに載せらていますが、その多くは2020年にインドですでに禁止されていたゲームやアプリのリブランド版でした。
シンガポールに本社を置くシー・リミテッドは、テンセントと長年のつながりがあります(テンセントはシー・リミテッドの最大の出資者であり、同社の株式の約19%を支配しています)。
14億人の人口を抱えるインドは、シー・リミテッドにとって最大の成長市場のひとつであるため、今回の動きは大きな衝撃と言えます。
アプリのトラッキング会社であるApp Annieのデータによると、シー・リミテッドの主力タイトルである「フリー・ファイア」は、2021年第3四半期に「インドで最も売上の高いモバイルゲーム」となっていました。
ただ、そうは言っても、実質的なダメージから考えると14日の暴落は過剰な反応だと言えます。インド市場が、シー・リミテッドのモバイルゲームの売上高に占める割合は3%未満(3,300万ドル)であり、同社の総売上高の約1.2%を占めているに過ぎません。
シー・リミテッドに魅力を感じている投資家にとっては絶好の買い場かもしれません。