ワークフロー管理を行うアサナ(ASAN)の共同創業者でCEOのダスティン・モスコビッツ氏は、昨年6月以降、10億ドル相当以上の同社株を購入しているそうです。
SEC(米国証券取引委員会)に提出された書類によると、ここ数週間で勢いを増したこの買い付けで、モスコビッツ氏はアサナのクラスA株を1,580万株、10億2,000万ドルで購入しました。この購入は、アサナのクラスA株の発行済株式数の約16%に相当します。
企業のインサイダーによる株式活動を追跡するInsiderScoreのリサーチディレクター、ベン・シルバーマン氏によると、一人のインサイダーが非買収シナリオで10億ドル相当の株式を購入したのは初めてのことのようです。同社のデータは2004年までさかのぼります。
フェイスブックの共同創業者であるモスコビッツ氏は、2008年にアサナを立ち上げました。
モスコビッツ氏は、12月30日から2月4日までに約700万株を4億ドル以上で購入していますが、これはアサナの株価が急落したことを受けてのことです。先週、株価は反発しています。
アサナは、株価の変動については言及を避け、モスコビッツ氏は、3月9日の同社の決算報告を控えた時期であることから、自分の購入についてコメントできないとしています。
SECへの提出書類によると、2021年半ば以降の購入はすべて、10b5-1取引計画(役員がインサイダー情報を利用して取引しないようにするための自動プログラム)に基づいて行われています。
モスコビッツ氏は現在、アサナのクラスA株1,660万株を直接保有しており、さらに信託口座で410万株を保有しています。これは、同社のクラスA株の21%にあたります。また、同氏は、1株あたり10票の議決権を持つクラスB株式を6,770万株(発行済み株式の76%)保有しています。
最近の取引が行われる前の最後のプロキシの時点で、モスコビッツは同社の議決権の60%以上を支配していました。
アサナの現在の市場価値は、約115億ドルです。2020年9月にニューヨーク証券取引所に直接上場して以来、株価は乱高下を繰り返してきました。21ドルで取引を開始し、2021年11月には145ドルのピークを迎えました。しかし、アサナ株は最近のハイテク株の暴落とともに下落し、1月下旬には44ドルを割り込みました。
2月に入ってからは株価が急上昇し、15%あまりの上昇を記録しています。2月11日の終値は4.74%減の61.56ドルとなりました。
フォーブス誌によると、モスコビッツ氏の純資産は153億ドルで、そのほとんどは、フェイスブックの親会社であるメタ・プラットフォームズ(FB)の推定2%の株式に関連しています。
モスコビッツ氏は、2004年にマーク・ザッカーバーグ氏、エドゥアルド・サヴェリン氏、クリス・ヒューズ氏と共同でフェイスブックを設立しました。初代最高技術責任者を務めた後、2008年に退社し、フェイスブックのエンジニアであるジャスティン・ローゼンスタイン氏とアサナを設立しました。
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