テスラ 最高益でも大きく売られた今がお買い得かも

テスラ(TSLA)が1月26日に記録的な利益を達成したは四半期の業績を発表したにもかかわず、その後の株価は大きく下落してしまいました。

その株価の反応に投資家だけでなく、アナリストまで困惑したのは、決算発表の内容が非常に良かったからです。

テスラは、2021年第4四半期の調整後の1株当たり利益を2.54ドルと発表し、ウォール街の予測(1株当たり約2.36ドル)を上回りました。これは、同社としては4四半期連続の増益となります。さらに、CEOのイーロン・マスク氏は、決算発表のカンファレンスコールで、2022年の成長率は「50%を楽に超える」と述べました。

しかし、こうした発表がもたらしたものは、株価の12%もの下落でした。28日株価は少し持ち直し、週の終わりには10.3%の下落となりましたが、これは過去11年間のテスラの四半期決算の中で3番目に悪い反応でした。

ただ、1番目と2番目に悪い反応があったときは、アナリストの予想を下回る数字が出たためで、今回のように予想を上回った、ビートしたにもかかわらず大きく下がったのは初めて。ビートへの反応としてはテスラの歴史の中で最悪のものとなってしまいました。

株価下落の理由について、「よくわからない」と答えるアナリストもいるなど、理由を特定するのは難しい状況ですが、答えとしてあがっているのは、新しいモデルの発売が1年間ないこと、同社が依然として半導体の入手に苦労していることなどです。

投資家はこうしたことに失望して売りに動いたと見られていますが、テスラの競合先の状況を見ると、株価が大きく売られた今は投資する絶好のチャンスかもしれません。

今週は、フォード(F)とゼネラルモーターズ(GM)の決算報告が行われますが、投資家はこれらの企業が半導体不足をどのように乗り切るかに注目しています。

GMの決算発表は2月1日に予定されており、ウォールストリートは第4四半期の営業利益を24億ドルと予想しています。しかし、それは来年度のガイダンスがどう出るかということほど重要視されてはいないようです。

ウォール街は2022年の営業利益を約136億ドルと予想していますが、これは2021年に予想されていた134億ドルから約2億ドルの増加です。アナリストたちの数字を見る限り、この弱い見通しさえも外れるリスクは現実味を帯びています。GMの営業利益予想は、12月の139億ドルからここ数週間で下がってきています。これを下回るガイダンスが出れば、株価は下がる可能性があります。

フォード(F)は2月3日に業績を発表する予定です。ウォールストリートは、第4四半期の営業利益を27億ドルと予想しています。アナリストたちは、2021年の営業利益が108億ドルだったのに対し、2022年の営業利益は120億ドルになると予想しています。GMと同様、2022年の数字が最も重要になります。しかし、GMとは異なり、フォードの2022年の予想は下がっていません。この120億ドルという数字は、これまでで最も高いコンセンサスの数字です。

フォードの株価には多少のリスクがあるかもしれませんが、フォードはこの中で最も優れたパフォーマンスを示しています。フォード株は過去3カ月間で約16%上昇しています。GMの株価は約7%、テスラの株価は約21%下落しており、S&P500は同期間に4%下落しています。

このような状況下では、半導体の供給と2022年の見通しを考慮すると、意外にもテスラ株を買うことが今後数ヶ月間における最善の選択肢であるように見えます。

これは、バリュー投資家にとっては驚きの選択かもしれません。テスラの株式は現在、2022年の推定利益の約83倍で取引されています。これは高い倍率ですが、テスラの成長スピードは群を抜いています。さらに、テスラの株価収益率は最近の平均値よりも約23%低下しています。

フォードとGMの株価は、それぞれ2022年の推定利益の10.6倍と7.4倍で取引されています。テスラよりもはるかに安価ですが、その理由は成長が期待できないからです。両社のPERはここ2、3年あまり変わっていません。

現在の状況では、EVに期待して自動車株に投資するならば、最もリターンが期待できるのが、テスラということになります。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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