半導体のサプライチェーンは依然として脆弱で、チップの需要が供給を大きく上回っています。米国商務省が最近行った調査の回答者は、この問題が今後6カ月以内に解決するとは考えていないと答えています。
商務省が行った情報提供の依頼には、ほぼすべての大手半導体メーカーやチップを使用する業界の企業など、150以上の回答が寄せられました。
この調査によると、自動車や医療機器などの製品を生産するためにチップを必要とするメーカーの半導体在庫の中央値は、2019年の40日から2021年には5日に減少したことがわかりました。
また、2021年のチップ需要(中央値)が2019年に比べて17%も増加しているにもかかわらず、大多数のチップ製造施設は90%以上の生産能力で稼働しており、需要に見合うだけの供給量が増えていないこともわかりました。
ジーナ・ライモンド商務長官はニュースリリースで、「需要が急増し、既存の製造施設がフル稼働している状況で、この危機を長期的に解決する唯一の解決策は、国内の製造能力を再構築することであることは明らかである」と述べています。
報告書では、自動車や医療機器などの製品に使用されるレガシーロジックチップ、電源管理やイメージセンサー、無線周波などに使用されるアナログチップ、センサーやスイッチなどに使用されるオプトエレクトロニクスチップなど、特定の半導体のインプットとアプリケーションにボトルネックがあることがわかりました。また、今回の調査では、ウエハー生産のボトルネックが明らかになりましたが、短期的な解決策は見当たりません。
ライモンド長官は、インテル(INTC)が200億ドルを投じてオハイオ州に大規模な半導体工場を建設する計画を発表したことや、フォード・モーター(F)とゼネラル・モーターズ(GM)が11月に自動車用半導体の提携について発表したことなど、改善の兆しがあることを指摘しました。
しかし、ライモンド長官は、コロナの発生、自然災害、政情不安などにより、海外の主要な半導体工場が数週間でも混乱すれば、米国内の製造工場が停止する可能性があると指摘しています。また、商務省は、ブローカーを通じて販売されたチップの価格が異常に高いという報告を調査しています。
ライモンド長官はブログで、今回の調査結果をまとめ、米国内の半導体に520億ドルの資金援助を行うことを目的とした「米国イノベーション・競争法」(昨年、上院で可決されたバージョン)の可決を議員に求めています。