このところ下げ足を強めているナスダック総合株価指数。1月19日の朝方はリバウンドの兆しもありましたが、終値は166ポイント下落して14,340となりました。この下落により、ナスダックの2021年11月の高値以降の損失は約11%となりました。
一般的に言われている調整局面にナスダックは突入したと言ってもよさそうです。株式市場に投資している人であれば、この規模の下落がそれなりの頻度で定期的に起こることは覚悟していると思いますが、2010年代の多くの時期、ナスダックは大きな上昇の後にやってくる、大きな整理のための休止があまりありませんでした。
そのため、調整局面の扱い方を知らない投資家が多くなっているようです。しかし、ボラティリティーが高まってくると、困難な市場環境に合理的に対応することがより重要になってきます。
株式市場の調整局面を乗り切るためにすべきこと、心がけることはシンプルですが、ポートフォリオに大きな損失が出て、穏やかな感情でいられない時に、こうしたことを行い、心がけることは決して簡単ではありません。
ポジションが過剰になっていないか確認する
心がけるべきことの一つ目は、株のポジションが過剰になっていないかを確認することです。
多くの投資家が、市場が活況を呈していたときには、信用取引などのレバレッジを使って収益をさらに高めようとしました。しかし、市場が低迷しているときには、そのような手段は損失を拡大させ、ときには間違ったタイミングで売却しなければならないこともあります。レバレッジを調整するための理想的なタイミングは、もちろん調整が起こる前ですが、事態が手に負えなくなる前に行動を起こすことが重要です。
特に米国株は値幅制限がありませんので、振れ幅が極端です。あっという間にマージンコールが来る事態になって損切りを強いられることになります。もし、信用取引をされているような場合、調整局面では一刻も早く売却することをおすすめします。
こんな時期は市場から目を背けるのが一般投資家が取れる最善の手段だと思いますが、信用取引をやっているとそれが許されません。恐怖と欲の間で悩み、小出しに売却すると傷が大きくなりがちですので(ドットコムバブルにおける自分の経験談です)、くれぐれもご注意ください。
資産配分が自分のリスク許容度に合っているか確認する
ポートフォリオのリバランスを行ってからしばらく経っている場合は、現在の資産配分が自分のリスク許容度に合っているかどうかを確認しましょう。
定期的にリバランスを行っていない人の多くは、株式市場が上昇すると、ポートフォリオの中で株式に投資されている割合が飛躍的に高まることに気付き、驚きます。そうすると、その後の下落局面で、自分の準備ができている以上のリスクにさらされることになります。リバランスすることで、リスクレベルを自分の許容範囲内に保つことができます。
株価の低迷を味方にする
中長期投資のスタンスで株式を保有しており、今後も資金を投入する準備をしている人にとって、調整局面における株価の低迷は味方になります。
株価が下がれば、より安く投資でき、投資するたびに多くの株を買うことができます。そのため、今は、株価が下がって適正価格になったら買いたい銘柄のウィッシュリストを作っておくのに最適な時期だと言えます。
自分のポートフォリオが価値を失うのはつらいことですが、これは株式市場の自然な波動の一部です。長期投資家は、長期的には市場が上昇することを知っており、今回もその連続性が維持されると信じるに足る理由があります。
今はシートベルトをしっかりと締めるべき時。それはもちろんふるい落とされないためですが、それだけではありません。きっとまた浮上する市場にしっかりと自分を繋ぎ止めておくという自分の意志を確認するためでもあります。