定額制ストリーミングビデオのリーダーであるネットフリックス(NFLX)の第4四半期の決算報告が今週1月20日に予定されています。
今回の決算発表はこれまでとは異なる理由で注目されます。すなわち、投資家は、ネットフリックスが成長の二日酔いから回復し、売上成長率を20%以上にスピードアップさせることができるという証拠を求めています。また、事業が成熟しつつある現在、利益率とキャッシュフローをどれだけ早く向上させることができるかという懸念もあります。
新しい年に入り株価は低調で下落していますが、今回の決算でネットフリックスは力強い成長を報告する可能性があります。
経営陣は10月に、第3四半期の440万人、1年前の850万人に対し、新規加入者を850万人増やすと予想しました。この大幅増の予想の背景には、「ドント・ルック・アップ」や「ウィッチャー」などのヒット作が登場が控えていたことがあります。
しかし、この加入者増があっても、経営陣が重要なマイルストーンとして強調している年間売上成長率20%を下回ることになります。2020年に24%の伸びを示した売上高が、2021年には19%程度に鈍化していることから、再び売上高の増加を計ることができるかが、今後の課題となります。
インフレに強い銘柄を探している投資家がネットフリックスに惹かれているのには理由があります。営業利益率は、経営陣が示した年間目標の3%ポイントアップとほぼ同じペースで上昇しています。2016年にはわずか4%だった営業利益率が、今年は20%を超えるペースで推移しています。
この指標が30%に向けて上昇し続けるかどうかは、ネットフリックスの成長率、競合他社、そしてサービスの価値(および価格)を長期的に高めていく能力にかかっています。
経営陣は、ネットフリックスが最も成熟した市場である米国では、テレビの総視聴時間に占めるネットフリックスの割合がまだ10%未満であることを、この可能性の説明に用いています。投資家は、ネットフリックスがコンテンツカタログの幅を広げ、ケーブルネットワークに対抗できるようにすることで、この数字を押し上げることを期待しています。
最新の映画や番組のリリースがうまくいけば、ネットフリックスは第1四半期の見通しを発表し、前年同期の400万人の新規加入者の急増と比較しても良い結果が出ると予想することができるでしょう。
投資家は、キャッシュフローという形で、今後のネットフリックスのすべての資金需要と積極的な自社株買いを処理するのに十分な力を持っているという、よりポジティブなニュースを得るかもしれません。
このような財務上の勝利は、市場を揺るがすような株主利益をもたらす可能性を示しています。しかし、ウォール街は今、ネットフリックスのような老舗のマーケットリーダーであっても、成長株に多くを求めています。
20日に発表される決算報告は、投資家が追い求めていた確実性を与えるかもしれません。ただ、それよりも、2022年の売上と利益に関するいくつかの疑問に答えると同時に、ネットフリックスの世界的な会員数の可能性をさらに高める発表になる可能性の方が高いと見られます。
いずれにしても、パンデミックの需要動向が新たな常態に落ち着く中で、デジタルエンターテインメントの巨人が業界についてどのような発言をするのか、要注目です。
*過去記事はこちら ネットフリックス NFLX