インフレに強い、信頼できるハイテク株3つ

先月、米国で31年ぶりの高水準を記録したインフレは、ハイテク株に大きな成長の痛みをもたらしています。部品や人件費の上昇を引き起こすだけでなく、インフレの上昇は、収益、フリーキャッシュフロー、利益などの企業の長期的な成長の価値を下げてしまいます。

投資家はハイテク株への投資をより選択的に行うことが求められています。そんななか、インフレ環境下でも強靭さを保つことができる3つの信頼できるハイテク株をモトリーフールがピックアップしていますので、ご紹介します。

アマゾン(AMZN)

アマゾンは、3つの単純な理由で、インフレから十分に守られています。第一に、実店舗の小売業者の価格が上昇すれば、消費者はアマゾンのオンライン・マーケットプレイスでより安い商品を購入するようになるはずです。

第二に、アマゾンは、2億人以上の会員に限定的な割引、無料配送オプション、その他の特典を提供するプライムエコシステムで顧客を囲い込んでいます。このエコシステムは、インフレが悪化するにつれ、さらに強固なものとなり、より多くの買い物客を魅了するでしょう。

最後に、アマゾンが製品を低価格で販売する余裕があるのは、利益率の低いマーケットプレイスではなく、利益率の高いクラウドビジネスであるアマゾンウェブサービス(AWS)から利益の大半を得ているからです。AWSは世界最大のクラウド・インフラストラクチャー・プラットフォームであり、顧客は他のコストが上昇したからといってクラウドサービスを利用しなくなることはないため、価格決定力は十分にあります。

この2つの成長事業の共生関係により、アマゾンは、小売事業がパンデミックの影響で難しい状況にあっても、インフレに強い銘柄となるはずです。現在、アマゾンの株価はフォワード利益の55倍と割安とは言えないかもしれませんが、インフレ環境におけるアマゾンの回復力を考えれば、多少のプレミアムは正当化できます。

セールスフォース(CRM)

セールスフォースもまた、インフレに悩まされることのないクラウドソフトウェアのリーダーです。セールスフォースは、世界最大のクラウドベースの顧客関係管理(CRM)プラットフォームを運営しており、大企業の顧客がすべての顧客関係を追跡・分析できるようにしています。

さらに、マーケティング、eコマース、アナリティクス、アプリ開発などのサービスをクロスセルすることで、顧客を自社のクラウドベースのエコシステムに囲い込んでいます。

セールスフォースの短期的な業績の伸びは、主に企業向けコミュニケーション・プラットフォームであるSlackの277億ドルでの買収と、その投資に関連するいくつかの会計上の変更により、少し不安定なものとなっています。

しかし、ハイテク企業である同社は、今年度(2022年)の年間売上高264億ドルを2026年度までに500億ドル以上へとほぼ倍増させるという目標も繰り返し表明しています。セールスフォースは、幅広い業界で同社のサービスに対するニーズが高まっていることが、その成長の原動力になると期待しています。

セールスフォースのサービスは、顧客との関係を追跡するだけでなく、企業が業務を合理化したり、特定の業務を人間の従業員に頼らずに済むようにしたり、データに基づいたより良い意思決定を行うのに役立ちます。これらのサービスに対する市場の需要は、インフレの逆風にかかわらず、引き続き堅調であり、セールスフォースには十分な価格決定力があると考えられます。

セールスフォースの株価もまた、将来の利益の55倍で取引されています。しかし、アマゾンのように、より高い評価で取引されるに値する常勝ハイテク株です。

パロアルトネットワークス(PANW)

サイバーセキュリティ企業は、マクロ経済の課題にかかわらず、企業がそのサービスにお金を払い続けるので、インフレに強いとされています。しかし、金利の上昇は価格の高い成長株を押しつぶす可能性があるため、投資家は一般的に、高額なバリュエーションで取引されているサイバーセキュリティ株を避けるべきです。

したがって、成長と価値のバランスが取れたサイバーセキュリティ企業を投資家は探すべきであり、その基準を満たすのが、オンサイトのファイアウォール・アプライアンスで市場をリードしているパロアルトネットワークスです。

同社は、過去2年間に大きな買収を行ってクラウドとAIのエコシステムを積極的に拡大しました。

パロアルトは現在、150以上の国で85,000以上の顧客にサービスを提供しています。これは、9年前のIPO時には100カ国以上で9,000強の顧客だったことを考えると、順調な増加と言えるでしょう。今年の売上高は26%~27%増加し、そのほとんどが新しいクラウドとAIサービスによるもので、調整後の利益は16%~18%増加すると予想しています。

パロアルトの株価は、フォワード利益の76倍とやや割高に見えるかもしれませんが、多くの投資家は、サイバーセキュリティ企業を利益ではなく売上に基づいて評価しています。この基準では、パロアルトは来年の売上のわずか8倍で取引されており、クラウドストライク(CRWD)やクラウドフレア(NET)のような評価の高いサイバーセキュリティ企業と比較すると、お買い得感があります。

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