アップル(AAPL)は今週、iPhone 13の目標生産量を9,000万台から約8,000万台に削減するようサプライヤーに指示したと報じられています。
半導体不足がアップルにも影響を与えることは、10月の決算説明会で、ティム・クックCEOも言及しており、アナリストや投資家が、アップル社も他の企業と同様にサプライチェーンの遅延に直面していることをすでに知っていました。
しかし、クックCEOは半導体不足への対応に自信を見せていただけに、今週の減産のニュースにアナリストや投資家は戸惑っているようです。
Gavekal Research社のアナリストであるVincent Tsui氏は、12月3日付けのレポートで「消費者は、5G技術を利用するために携帯電話をアップグレードすることを望んでいる」と書いています。しかし、サプライチェーンの問題により、携帯電話の入手が困難になっており、「欲求不満の消費者は、今はアップグレードせず、来年の新モデルの発売を待つことにしているようだ」と述べています。
同氏は、不足しているのは最先端の半導体ではなく、ディスプレイや電源管理などの「ありふれた」機能に使われる汎用の半導体だと指摘し「これらのボトルネックの影響は、アジアのサプライチェーン全体に波及している」と分析しています。
投資家にとっての明るい話題は、半導体不足が今に始まったことではないということです。ウェドブッシュのアナリストであるダン・アイブス氏は、バロンズ誌に次のように述べています。「アップルはこれまでで最も好調なホリデーシーズンを過ごしてる。アップルはiPhone 13について需要の問題ではなく、供給の問題を抱えている」
同氏はアップルを「買い」と評価し、目標株価を200ドルとしています。
アイブズ氏は、需要がなくなるのではなく、シフトするだけだと見ています。2021年の半導体不足については、自動車の投資家もこのようなアプローチをとっています。
フォード・モーター(F)は11月までに、半導体不足のため、パンデミックの影響を受けた2020年の同じ期間と比較して、2021年の自動車の出荷台数を約6%減らしました。しかし、この半導体不足はフォードの利益や投資家のセンチメントを制約するものにはなっていません。