エヌビディア 第3四半期決算の注目点

エヌビディア(NVDA)は、11月17日(水)のマーケットクローズ後に、2022年度第3四半期(実質的には8月から10月までの期間)の業績を報告する予定です。

エヌビディアは少なくとも過去5四半期連続で、ウォール街のコンセンサスによる業績予想を上回っています。さらに、多くの投資家は、同社が新興のメタバース(Merriam-Websterの言葉を借りれば、「人々が社交や遊び、仕事のために集まる、没入感の高い仮想世界」)における主要なプレーヤーの1つになる可能性があると考えています。実際、エヌビディアは、最近立ち上げたオムニバースを「メタバースを構築するための『配管』」と表現しています。

エヌビディア社の第2四半期の売上高は、前年同期比68%増(前四半期比15%増)の65億1,000万ドルを記録しました。

この成長は、ゲーム、データセンター、プロフェッショナル・ビジュアライゼーション・プラットフォームにおける記録的な売上によってもたらされました。

一般に公正妥当と認められた会計原則(GAAP)にもとづくEPSは、前年同期比276%増の0.94ドル、調整後のEPSは89%増の1.04ドルとなりました。

ウォールストリートでは、売上高を63億3,000万ドル、調整後のEPSを1.02ドルと予想していたため、エヌビディアは両予想を上回りました。

第3四半期決算の注目点は、コンピュータゲームとデータセンターという2大プラットフォームの業績です。同社の業績は、この2つの事業が牽引しています。今年度の第1四半期および第2四半期において、この2つのプラットフォームの合計は、同社の総売上高の85%と83%を占めました。

前四半期の説明会でCFOのコレット・クレス氏は「ゲーミングプラットフォームの成長は、当社のアンペアGPUアーキテクチャーを採用した『GeForce RTX 30シリーズ』が引き続き好調に推移したことが要因」と述べています。

また同氏は、データセンターが前年比で増加したことについて、アンペア製品の「垂直型産業およびハイパースケールの顧客への導入」が活発化しているためだと説明しました。

同様に、プロフェッショナル・ビジュアライゼーションの成長は、特にデスクトップ・ワークステーション向けにアンペアのGPUを増強したことによります。

エヌビディア社のOEMおよびIP部門の前四半期の業績については割り引いて考える必要があります。前期、前年同期比で大幅に増加したのは、暗号通貨の採掘に特化した製品「暗号通貨採掘プロセッサ(CMP)」を年初に発表したことによるものです。前四半期のこの製品の売上高は2億6600万ドルで、エヌビディア社の総売上高の4.1%を占めました。

エヌビディアがCMPを発表したのは、攻撃的というよりも防御的な意味合いが強いものでした。暗号採掘者が同社のゲーミングカードを数多く買っていたため、ゲーマーが手に入れることが難しくなっていたのです。

エヌビディアが暗号資産市場から利益を得ているのは素晴らしいことですが、暗号資産市場は非常に不安定ですので、エヌビディアのCMPの売上が四半期ごとに直線的に伸びていくことは期待できないと思われます。

今回の決算でも注目されるのは、、経営陣が、日本のソフトバンクが所有するモバイルチップ設計のリーディングカンパニーであるアームの買収について、最新情報を提供するかどうかです。

この400億ドル規模の買収は、2020年9月に発表され、当初は2022年3月までに完了すると予想されていました。しかし、このスケジュールが揺らいでいるようです。エヌビディアは、アームのライセンシーである大手ハイテク企業の多くと競合しているため、競争に関する懸念からくる規制面での逆風にさらされています。

この取引が成立すれば素晴らしいことですが、エヌビディアとその株式が長期的な勝者であり続けるための絶対条件ではありません。

いつものように、エヌビディアの次の決算発表に対する市場の反応には、ウォールストリートの予想に対する同社のガイダンスが大きく影響します。

第3四半期についてアナリストは、売上高68億1,000万ドル、調整後EPS1.08ドルを予想しており、前年同期比でそれぞれ40%、36%の成長を見込んでいます。

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