IBMのスピンオフ企業、キンドリルが取引を開始

  • 2021年11月5日
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IBMのスピンオフ企業で、マネージドITサービス会社であるキンドリル(KD)が11月4日、市場で取引されるようになりました。

CEOであるMartin Schroeter氏は、「我々は190億ドルのスタートアップ企業としてスタートしました。当社は、インフラサービスのリーディングカンパニーです。私たちは、恵まれた立場からスタートしました。私たちは業界最大手であり、顧客は私たちを本当に信頼しており、私たちが行っている仕事を本当に気に入ってくれています」と述べています。

キンドリルは9万人の従業員を擁し、WiproやTata Consultancy ServicesなどのインドのITアウトソーサーと競合し、世界の大手企業にサービスを提供しています。

Schroeter氏によると、顧客はキンドリルの上場に期待しているそうです。「彼らは、私たちが新しい、より広範な機能を構築することを望んでいます。また、私たちが、狭い範囲に集中したIBMのエコシステムではなく、より多くの市場のエコシステムに参加することを望んでいます」と述べています。

とはいえ、キンドリルには克服すべき財務上の課題があり、その評価は控えめなものになりそうです。2020年の売上高(調整後)は191億ドルで、近年は縮小傾向にあります。これは、企業がより多くのワークロードを独自システムからパブリッククラウドに移行させていることを反映しています。

2021年の売上高は、185億ドルから187億ドルの範囲になると見込んでいます。また、2021年の調整後のEBITDA(利払い前、税引き前、減価償却前の利益)は28億ドルから29億ドルの間で、2020年のプロフォーマ・ベースで報告された29億ドルとほぼ同水準、税引き前利益は1億ドルから2億ドルの範囲になると予想しています。

Schroeter氏は、キンドリルにとっての大きな問題は、同氏が2,400億ドルと見積もっている市場で、いかにして同社を成長させるかであると認めています。

同氏は、同社が市場の縮小傾向にある部分、つまりパブリッククラウドではなくオンプレミス環境で動作するソフトウェアに特に注力してきたことを認めています。

今後は、顧客がMicrosoft Azure、Amazon Web Services、Google Cloudに業務を移行するための新たな機能を構築するとともに、ネットワーク、セキュリティ、データ管理、人工知能などの分野で新たな機能を追加していくことを期待しています。

「この分野の最大手企業が、信頼できる関係と、地球上に存在する専門家の深い深いコアを持ち、それを基本的に解き放ち、多少の投資をして、新しいものや新しい機能を生み出しているのです」と同氏は述べています。

キンドリル社の最高財務責任者(CFO)であるDavid Wyshner氏は、2025年の売上成長を目標に、新しい機能を構築しながら、あと数年は縮小を続けると予想しています。

キンドリルは当初、配当を行わない予定で、5.2%の高利回りを目当てにIBMを保有している個人投資家が株を手放すきっかけになるかもしれませ。そして、前述のように、同社は今後数年間、売上の縮小に直面しています。

11月3日の発行済み株式数の少ない取引では、キンドリルは1株あたり約30ドルで取引され、同社の時価総額は約67億ドルとなっていました。キンドリルは、IBMの約4分の1の売上でスタートしますが、評価額はスピンオフ前の時価総額のわずか6%に過ぎないものとなっています。

初日の取引である11月4日の終値は7.44%減の26.38ドルでした。

*過去記事はこちら「IBM

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