J.P.モルガンのアナリスト、ライアン・ブリンクマン氏は、11月2日に株価が大きく上昇した後、レンタカー会社エイビス・バジェット(CAR)を「買い」から「売り」に格下げしました。
ウォール街では、いっきょに2段階も格付けを引き下げるダブル・ダウングレードは非常に珍しいことですが、エイビスの激しい株価の動きがそれを促したようです。
11月1日の市場が閉じた後、同社は好調な四半期決算を報告し、1株当たり10.74ドルの利益を上げました。アナリストは1株あたり7.24ドルと予想していました。
決算後、ショートスクイーズが発生しました。エイビスは、取引可能な株式の約37%が、価格の下落に賭ける弱気派によって借りられたり売られたりしている、大量の空売りを受けている銘柄です。
11月2日、株価は一時545.11ドルとなり、その日のうちに約220%上昇しました。終値は約110%の357.17ドルでした。
大幅な上昇の後、エイビスの株価はアナリストの平均目標株価である167ドルを約50%上回っており、ウォールストリートはその修正に追われています。
ブリンクマン氏の目標株価は、100ドルから225ドルに引上げられました。同氏は11月3日のレポートで、会社のファンダメンタルズが優れていると述べています。しかし、それだけでは、株価を「買い」あるいは「ホールド」にとどめるには不十分でした。アナリストによると、株価の上昇は、ビジネスの追い風を十分に反映しているとのことです。
株価を引き下げたアナリストは、ブリンクマン氏だけではありません。ドイツ銀行のアナリストであるChris Woronka氏は、エイビスの株価を「ホールド」から「売り」に格下げしました。目標株価は119ドルから210ドルに引き上げています。同氏は、格下げの主な理由としてバリュエーションを挙げています。
ブリンクマン氏の動きの後、8人中2人、つまり25%のアナリストが株を「買い」と評価しています。S&P500銘柄の平均的な買い評価の比率は約55%です。また現在、3人のアナリスト(38%)が株式を「売り」と評価しています。S&Pの平均的な売り評価率は10%以下です。
エイビスの株価は11月3日、前日比16.54%減の298.09ドルが終値となっています。