アマゾン(AMZN)は、10月28日の市場終了後に2021年第3四半期の業績を報告する予定です。今回の決算報告は、アンディ・ジャシー氏がCEOに就任して最初の報告となります。
報告に対する市場の見方は、慎重な楽観主義と表現できるかもしれません。前四半期、同社はウォール街の業績予想を上回りましたが、トップラインでは失敗しました。さらに、一部の投資家は、経営陣が発表した第3四半期の売上見通しに失望しました。
とはいえ、投資家がアマゾンの売上を楽観視するには、それなりの理由があるようです。10月15日に米国国勢調査局が発表した米国の小売売上高は、予想よりもかなり強い数字でした。
先月の小売売上高は、エコノミストの予想では0.3%減でしたが、前月比で0.7%増となりました。さらに、国勢調査局も8月の小売売上高の伸びを当初の7月比0.7%増から0.9%増に上方修正しました。
2021年、アマゾンの株価は10月15日までに4.7%上昇しており、S&P500の20.4%のリターンに遅れをとっています。猛烈な勢いで上昇した後に株が休むのは珍しいことではないので、この短期的なアンダーパフォーマンスは投資家にとって懸念すべきことではありません。2020年には、パンデミックの影響を受け、市場全体の18.4%のリターンに比べて76.3%の上昇を記録しました。
この2つの期間を合わせて見ると、アマゾン株は大きく上昇しています。2020年1月1日以降の株価は84.5%上昇しており、S&P500の42.6%の約2倍となっています。
アマゾンは収益に関するガイダンスを提供していませんが、営業利益については提供しています。経営陣は、第3四半期の営業利益を、前年同期の62億ドルに対し、25億ドルから60億ドルの範囲で見込んでいます。
この見通しは、COVID-19に関連する約10億ドルの費用を前提としています。この見通し範囲は、営業利益が前年同期比で約60%から3%減少することを意味します。
電子商取引のリーダーである同社は、当四半期、絶好調だった前年同期と比べられるという厳しい状況に直面しています。昨年の第3四半期はパンデミックが猛威を振るっており、ワクチンが入手できない時期であったため、消費者は依然としてオンラインショッピングに大きく依存していました。
第2四半期のアマゾンの売上高は、前年同期比27%増の1,131億ドルとなり、市場予想の1,151億ドルには届かなかったものの、ガイダンスの中間値である1,100億ドルから1,160億ドルに収まりました。
プライムデーが今年の第2四半期に開催されたことが売上を押し上げました。セグメント別では、北米地域が22%、海外地域が36%、アマゾンウェブサービスが37%それぞれ増加しました。純利益は50%増の78億ドル、EPSは47%増の15.12ドルとなりました。この結果は、コンセンサス予想の12.22ドルを大幅に上回りました。
次の四半期はホリデーシーズンにあたるため、今回の決算発表で示されるガイダンスは通常よりも重要になります。
アマゾンは売上高のガイダンスを提供していますが、利益のガイダンスは提供していません。しかし、営業利益の見通しは、投資家に、同社が予想する最終損益の前年比変動率についての一般的な見解を示します。
第4四半期について、アナリストは現在、アマゾンの売上高が前年同期比14%増の1,426億ドル、EPSが約12%減の12.34ドルになると予想しています。
第4四半期の予想が低い大きな理由のひとつは、アマゾンが昨年の第4四半期に恒例のイベント「プライムデー」を開催したことです。このイベントは、従来は7月(第3四半期)に開催されていましたが、今年は6月(第2四半期)に開催されました。