長期的に購入・保有できる優れた銘柄を見つけるためにまず必要なことは、何十年にもわたって追い風となるような破壊的なトレンドが進行中の業界を見極めることです。
投資家にとって追い風になる、業界を破壊するようなトレンドが進行中の業界をモトリーフールがピックアップしていますので、ご紹介します。
不動産
36兆ドル規模の住宅用不動産ビジネスは、ブローカーが買い手と売り手をつなぐだけで高額な手数料を発生させるビジネスモデルを踏襲し、1世紀以上にわたって比較的停滞していました。
しかし、ジロー・グループ(Z)、オープンドア・テクノロジーズ(OPEN)、レドフィン(RDFN)などの企業は、不動産の現状を巧みに打破しつつあります。
現在、不動産に固定化されたいくつかの広範なトレンドが進行中です。
まず、情報の民主化が進んでおり、買い手も売り手もジローのようなアプリで数回クリックするだけで住宅価格の見積もりを得ることができます。
第二に、売買のプロセスが変わりつつあり、前述の3社はいずれも住宅を直接購入するビジネスを構築しています。これにより売り手は、自分のスケジュールに合わせて素早く家を売ることができるようになり、自分で家を演出して売る手間も省けるようになります。
ジロー、オープンドア、レドフィンのような企業は、時間をかけて効率化を進め、間接的な手数料を十分に下げ、従来の不動産仲介業者を通すよりも経済的に家を売ることができるようになると思われます。そうなれば、不動産取引の方法が変わり、住宅所有者や投資家にとって素晴らしいことになるでしょう。
ストリーミング
クラウドがビジネスにもたらした破壊は、まだ始まったばかりです。小さなオーディオファイルをストリーミングできるようになったことに始まり、ネットフリックス(NFLX)がビデオファイルをストリーミングできることを示し、品質と利用可能なコンテンツが向上しました。
しかし、それはまだ始まりに過ぎません。そのうち、より多くのコンピューティングがクラウドに移行し、ゲームやAR(拡張現実)、VR(仮想現実)コンテンツ、さらには自動運転車でのローカルマップのストリーミングが可能になるかもしれません。
デバイスはストリーミングの変化にも適応してきました。オーディオやビデオのストリーミングが普及するにつれ、スマートフォンに搭載される大容量のハードディスクの必要性は低下し、各社はハードディスクの容量よりもプロセッサの速度やバッテリーの寿命を最適化することに重点を置くようになっています。
ARグラスのような新しいデバイスが市場に登場すると、同様の傾向が見られるかもしれません。つまり、デバイス外での作業を増やし、重要なコンテンツをデバイスにストリーミングするようになるのです。
クラウドへの移行はまだ始まったばかりですが、10年後には、デバイスはクラウドサービスを利用するためのインターフェースとなり、そこでほとんどのコンピューティングが行われるようになるでしょう。
ポッドキャスティング
音楽やラジオ、そしてポッドキャスティングなど、オーディオ製品を作るには、大規模なインフラが必要だったのは昔の話です。
タレントはもちろんですが、その裏には、タレントを良い音にするためのエンジニア、広告を売るための営業スタッフ、そしてコンテンツを配信する場所が必要でした。しかし、オーディオ制作の民主化により、これらの壁は崩れつつあります。
音楽ビジネスへの参入障壁は何年も前から下がってきており、これからも下がっていくでしょう。大きな変化が起きつあるのが、ポッドキャスティングです。
スポティファイ(SPOT)のAnchorやCallinという新しいアプリでポットキャスティングの制作が容易になっています。また、スポティファイのAd Networkでは、コンテンツのストリーミングに合わせてリスナーにターゲット広告を表示することができ、収益化が可能になっています。
インターネットの普及により、あらゆる種類のコンテンツ制作者が大衆市場に参入できるようになり、アルファベットのグーグルのような企業は、独自の販売インフラを持たずに製品を収益化できるようになりました。同様の破壊がポッドキャスティングにも訪れています。
サービスとしてのソフトウェア(SaaS)
SaaSは10年以上前からトレンドになっていますが、すぐに衰退することはないと思われます。今後10年間で、デジタル化できるものはすべてデジタル化され、サービスを集約できる企業は非常に大きな力を持つようになるでしょう。
セールスフォース・ドットコム(CRM)は、企業がリードを売上につなげるために必要な営業ツールを構築することができました。Slackを買収したことで、大小の企業にとって重要なコミュニケーション・ツールが加わり、自社のセールス・リードを増やすことができました。
SaaS株が投資家にとって魅力的なのは、企業の規模が大きくなるにつれて、ほとんど追加コストをかけずに顧客を増やしていくことができるからです。このようにして、成功したSaaS企業は、成長に伴って非常に高い収益性を実現し、今日の市場で高い評価を得ています。
再生可能エネルギー
再生可能エネルギーは21世紀に入ってから爆発的に普及し、現在では世界中の多くの地域で、風力や太陽エネルギーが最も低コストの新電力の選択肢となっています。また、コストが下がり続けているため、再生可能エネルギーの勢いが衰えることはありません。
現在、再生可能エネルギーへの投資は、エネルギー製品のメーカーに始まり、エネルギー発電プロジェクトの長期的な所有者に至るまで、さまざまな方法があります。ファースト・ソーラー(FSLR)は、再生可能エネルギーの成長に投資するのに最適な方法です。同社の収益性や生産量の倍増計画を考えると、明るい未来が見えてきます。
長期的に見ると、再生可能エネルギーへの投資で最も安定しているのは、再生可能エネルギー資産の所有者を通じての投資です。
ブルックフィールド・リニューアブル・パートナーズ(BEP)とネクステラ・エナジー・パートナーズ(NEP)は、世界最大級の再生可能エネルギー資産の所有者であり、事業から得た現金を使って安定した配当を行っています。現在の利回りはそれぞれ3.1%と3.3%ですが、キャッシュフローを成長プロジェクトに投資しているため、時間の経過とともに上昇していくでしょう。
再生可能エネルギー業界には追い風が吹いており、ファースト・ソーラー、ブルックフィールド・リニューアブル・パートナーズ、ネクステラ・エナジー・パートナーズなどの銘柄への投資は、この業界の成長に乗るための素晴らしい方法です。