株価が下がるタイミングを待っていると、その株を買うを機会を逃してしまうことがあります。そんなことは、そうそうあることではありませんが、今のアップスタート(UPST)にはその言葉が当てはまる気がします。
アップスタートは、機械学習を用いてリスクを評価するモデルを開発しました。パートナーである銀行は、そのモデルを使って、主に個人向けローンの融資判断を改善しています。
今のところ、それはすべての人に恩恵をもたらしています。消費者金融保護局の調査では、アップスタートのモデルにより、27%の借り手が承認され、平均金利は16%低下しました。
また、意思決定を自動化することで、より良いカスタマーエクスペリエンスを実現しています。同社は現在、より大きな市場に目を向けています。
第1四半期には、自動車ディーラーのオンライン化を支援するプロディジー・ソフトウェアを買収し、自動車ローン、クレジットカード、住宅ローンなどをアップスタートの技術の応用先として挙げています。これらの市場ははるかに大きく、浸透させるには何年もかかるでしょう。
<貸し出し市場の規模>
個人向け融資 | 920億ドル |
自動車ローン | 6,260億ドル |
クレジットカード | 2,580億ドル |
住宅ローン | 3.4兆ドル |
これまでのところ、経営陣は個人向けローン事業でその手腕を発揮しており、自動車ローンでも同じような成果を上げることができると個人的には確信しています。
あまりの成長の速さに、経営陣もついていけないようです。同社は、3月に発表した2020年度通期を皮切りに、これまで3つの四半期を報告してきましたが、そのたびに2021年度の売上のガイダンスを引き上げてきました。5ヵ月間で50%も引き上げています。
ウォール街も追いつくのに苦労しています。上場以来、株価は480%も上昇しています。アナリストは、今週の決算発表の後に、さらにアップグレードをすることになると思われます。
アップスタートは1億9400万ドルの売上を上げ、前年比1,000%以上の成長を達成し、通期の売上を7億5000万ドルと見込んでいます。Yahoo!Financeによると、現在アナリストが発表している2021年の売上予想の最高額は6億500万ドルです。
CEOのデイブ・ジルーアード氏は、2012年にアルファベット傘下のグーグルを離れてアップスタートを共同設立したとき(スティーブ・ジョブズ時代のアップルではプロダクトマネージャーも務めていました)、自分のベンチャー企業が一般市場に出るまでに10年近くかかることになるとは知る由もありませんでした。
起業した当初は、個人が将来の売上の一部を前金と交換するというクラウドファンディングのアイデアでした。人気はありましたが、ヒットはしませんでした。半年分の現金が残っていたので、彼と共同創業者は直接ローン商品にピボットし、このアイデアは成功しました。
アップスタートは、急速に成長している収益性の高いビジネスで、2つ目の融資市場へと拡大しています。その全体的な機会は、現在の売上の約6,000倍です。そして、この会社(AIを使って差別化を図っている会社)は、世界で最も優れたAIの実践者たちがいる会社で8年間幹部として過ごした人物が率いています。
中長期での投資を考えているのであれば、誰も予測できない市場の暴落を待って買うのをためらわない方が良いかもしれません。今のアップスタートには、このように書かせる勢いがあります。