エヌビディア（NVDA）は、その強力な製品群によって何百万人もの顧客を獲得し、急成長している分野を支配してきたことで、長年にわたって市場全体を大きく凌駕してきました。
現在、エヌビディアは、既存の顧客により多くの利益をもたらす製品を提供しており、平均販売価格を引き上げ、新しい顧客を獲得することができます。
GPU（グラフィックス・プロセッシング・ユニット）市場におけるエヌビディアの優位性は、長年にわたって売上と利益の成長を加速させてきました。
2016年度には、同社の年間売上高はわずか50億ドル、調整後の純利益は9億2900万ドルでした。今年1月に終了した2021年度には、エヌビディアの年間売上高は167億ドル、調整後純利益は62億ドルにまで膨れ上がっています。
5年間の年複利収益成長率が27％であるのに対し、非GAAPベースの純利益は年46％の成長となっています。
最近のエヌビディアは、過去の成長率を上回っています。2022年度第1四半期の売上高は前年同期比84％増の56億6,000万ドルに急増し、調整後の純利益は107％増の23億ドルに達しています。
アナリストは、エヌビディアの躍進は今年度も続くと予想しており、売上高は前年比49％増、1株当たり利益は58％増になると見込んでいます。
Jon Peddie リサーチによると、エヌビディアはディスクリートGPU市場の80％を占めています。ディスクリートGPU市場は、昨年の236億ドルに対し、2025年には540億ドルの年間売上が見込まれています。
技術的な優位性からライバルであるアドバンスド・マイクロ・デバイシズ（AMD）にシェアを譲ることはないと考えられます。
ゲーム配信サービス「Steam」の調査によると、エヌビディアのフラッグシップカード「RTX 3090」は、AMDの最新カード「RX 6000」シリーズを11:1の割合で上回っています。
これは、エヌビディアの最新のRTX 30シリーズカードが、独立したベンチマークでAMDの提供製品を上回っており、価格も競争力のあるものになっているからだと思われます。
例えば、699ドルから販売されているRTX 3080は、価格の高いRX 6900 XTを上回っていると報告されています。
一方、同価格帯の製品に関しては、エヌビディアが大きくリードしています。599ドルから販売されているRTX 3070 Tiは、579ドルから販売されているAMDのRX 6800よりも21%高速であると言われており、エヌビディアが購入者により多くの利益を提供していることがわかります。
その結果、エヌビディアはRTX 30シリーズのカードに対して、顧客により高い価格を要求しています。エヌビディアのRTX 30シリーズカードの平均販売価格は、発売から6ヶ月間で360ドルに達し、前世代のTuringカードから20％上昇しました。
第1四半期のゲーム事業は、エヌビディアの総売上高の49%を占めており、この分野の明るい見通しは、将来、投資家に堅実なアップサイドを提供する上で重要な役割を果たすでしょう。しかし、注目すべきカタリストはこれだけではありません。
データセンター事業は、2016年度の売上はわずか3億3900万ドルでした。同セグメントの2021年度の売上は67億ドルに跳ね上がり、全体の40％を占めています。
エヌビディアの投資家は、同社が複数のチッププラットフォームを通じてこの分野で多くの機会を手にしていることから、データセンター事業が今後も活況を呈することを期待できます。
エヌビディアのデータセンター用GPUは、人工知能や機械学習のワークロードに対応できることから、すでに大手クラウドサービスプロバイダーの間でヒットしています。
同社は現在、データ処理ユニット（DPU）やCPU（中央演算処理装置）などの新たな機会を倍増させ、データセンター向けアクセラレータ分野での地位を強化しています。
第三者機関の試算によると、昨年のデータセンター・アクセラレータ市場は42億ドル規模でした。この数字は、2025年には530億ドルにまで跳ね上がると予想されており、エヌビディアにとってはまたとない大きなチャンスとなります。
そして最後に、自動車分野もエヌビディアにとって成長のための起爆剤になると予想されます。
昨年の自動車分野からの売上は、わずか5億3,600万ドルに過ぎませんでした。
しかし、エヌビディアによれば、メルセデス・ベンツ、アウディ、ヒュンダイ、ボルボ、ナビスターなどの有名なOEM（相手先ブランドによる製造）企業と提携し、2027年度までに80億ドル以上の自動車設計の獲得パイプラインを構築しているとのことで、エヌビディアのオートモーティブビジネスは、今にも動き出しそうな段階に達しています。