エヌビディア(NVDA)の1対4の株式分割が7月20日に行われたのに伴い、ダウ構成銘柄に起用されるのではという予想が出てきています。
Embed from Getty Imagesダウ構成銘柄30社のうち、ナスダックに上場しているのはわずか6社。その1社であるインテルに代わってエヌビディアが構成銘柄となる可能性がささやかれているのです。
1990年代後半にインテルがダウに加わった頃、インテルは誰もが認める半導体産業の覇者でした。
画期的なx86マイクロプロセッサーの設計は、パーソナルコンピュータの標準となり、技術ブームによってPCは革新の最先端を走っていました。
しかし、現在では、インテルは他の企業の後塵を拝し、一方、エヌビディアは独自のイノベーションで躍進しています。
エヌビディアのグラフィックス・プロセッシング・ユニットは、ゲーマーだけでなく、暗号資産のマイニングなど、優れた処理能力を必要とする人々にも愛用されています。その結果、エヌビディアの時価総額はインテルの約2倍になっています。
エヌビディアは、株価が1株あたり800ドルを超えていた頃には、ダウへの参加を検討されることはなかっただろうと思われます。
それは、ダウが価格加重型の指数だからです。エヌビディアは、他の銘柄の2倍以上の影響力を持っていることになり、ダウに加えられる可能性はありませんでした。
しかし、今週、エヌビディアの1対4の株式分割が実施されました。その結果、株価は186ドル前後で推移しています。これは、ダウの新しい構成銘柄が組入れられるには最適な金額です。
インテルは依然としてテクノロジー分野で非常に強力なプレーヤーであり、ダウの中での地位を失うには値しないという意見もあります。
インテルは、データサーバーなどの分野でその実績を維持することができ、PC業界では今でも大きな役割を果たしているからです。
しかし、インテルはモバイル機器用の半導体で遅れをとっています。この市場ではエヌビディアなどがリードしており、エヌビディアが提案しているARMホールディングスの買収は、インテルだけでなく他の半導体業界にも大きな影響を与えることになります。
ダウの中においてインテルはその存在感をほとんど発揮していません。インテルの株価は55ドルで、ダウ30の中でその影響力は下から3番目となっており、そのウェイトはわずか1%に過ぎません。
エヌビディアがダウに入ることになると、ダウの中では3%から3.5%のウェイトで、真ん中のポジションに位置することになります。
ダウの管理者は、過去4年間に5回にわたってダウの7つの構成銘柄に変更を加えています。インテルが半導体戦争に敗れたと見れば、彼らが再び動く可能性は間違いなくあると思われます。