Amazon Web Servicesは、人気の高いセキュア・メッセージング・プラットフォームであるWickrを買収したことを6月25日に発表しました。買収の条件は公表されていません。
今回の発表は、Amazon Web Servicesが政府機関との取引を増やすために行ったものです。何千もの政府機関がアマゾンのクラウドコンピューティングサービスを利用していますが、AWSは現在、米国防総省の数十億ドル規模のクラウド契約をめぐり、マイクロソフトと長期にわたる訴訟を繰り広げています。
AWSの副社長兼最高情報セキュリティ責任者であるスティーブン・シュミット氏は、ブログの中で、Covid-19の大流行により多くの人がハイブリッドな仕事環境を採用するようになったため、Wickrが提供するような安全な通信サービスの必要性が加速したと述べています。
「Wickrのセキュア・コミュニケーション・ソリューションは、企業や政府機関がこのような労働力の変化に対応するのに役立ち、AWSが顧客やパートナーに提供しているコラボレーションや生産性向上のためのサービスに加わることを歓迎している」とシュミット氏はブログで述べています。
Wickrも同社のウェブサイトにお知らせを掲載。「10年前に設立されたWickrは、世界中のさまざまな業界の組織にサービスを提供するまでに成長しました。AWSと一緒に、お客様やパートナーのために当社のソリューションを次のレベルに引き上げることを楽しみにしています。」と記しています。
Wickrは、一般向けの無料アプリに加え、軍事通信のサポートを目的とした有料サービスも提供しています。サンフランシスコを拠点とするスタートアップ企業である同社は、国防総省を顧客としており、4月には、米国税関・国境警備局がWickrのライセンスを購入したとViceが報じました。「国家安全保障局が定めたすべてのセキュリティ基準を満たすフル機能を備えた唯一のコラボレーションサービス 」と同社は自らを謳っています。