エヌビディア(NVDA)が400億ドルを投じて英国のチップ技術プロバイダーであるアーム・ホールディングスを買収する計画は、業界を再構築するものであるため、ライバル企業は懸念しています。
6月17日、エヌビディアとアーム、両社のCEOは、この買収が業界にとってポジティブなものであることを再度アピールしました。
6月17日に開催された「Six Five Summit」で、アームのCEOであるサイモン・シーガース氏は、独立したままでは、より多様な機能を果たす複雑な半導体を求める顧客の要求にアームは応えることができないと主張しました。
「将来のことを考えると、当社のライセンシーが作りたい製品の範囲はどんどん広がっていく。ライセンシーが我々に求めているものは、複雑さが増しているためにどんどん増えており、我々だけではどうしようもない」とも同氏は述べています。
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、今回の買収は、より大きな規模でアームをサポートするだけでなく、より多くの新しいアイデアを生み出し、知的財産という形で顧客にイノベーションをもたらすことができる会社を作る機会でもあると述べています。
「市場とアームの顧客にとってのメリットは、より多くの知的財産、より優れた知的財産、より加速されたロードマップ、そしてアームを、文字通りあらゆる方向に向かっているコンピューティングの多様性の最深部へと導くことだ」とフアン氏は述べ「クラウド、エッジ、モノのインターネット、ハイパフォーマンスコンピューティング、マイクロプロセッサー、アクセラレーションコンピューティングなど、あらゆる分野をカバーしている」と語っています。
しかし、すべての人がこの買収に同意しているわけではありません。クアルコムの次期CEOであるクリスチャーノ・アモン氏は、アームのプロセッサ技術のエコシステムはオープンであるがゆえに強力であると述べています。アームは、技術の設計図を作るだけで、自ら半導体の設計や製造を行わないため、長い間、誰にでもアーキテクチャのライセンスを提供してきました。
アモン氏は、ほとんどすべてのスマートフォンにアームのチップが搭載されていることについて、「アームはすでに勝利し、あらゆるところで勝利している」とし「独立しているからこそ勝てた戦いの後に、それを奪うことでより良くしようと言うのは、何の意味もない」と語っています。
他の半導体企業や技術部門からの反対も数ヶ月前から高まっているだけに、エヌビディアとアームの経営陣はそれを払拭しようと懸命にアピールを続けています。