SPAC(特別目的買収会社)による企業合併が再び活発化しています。電気自動車充電器メーカーのウォールボックスは6月9日、ケンジントン・キャピタル・アクィジション II(KCAC)と合併すると発表しました。
ウォールボックスに興味のある投資家は、今すぐケンジントンの株式を購入することができます。すべてが計画通りに進めば、ケンジントンの株式はウォールボックスの株式となり、ティッカーはWBXに変更されます。
今回の経営統合により、SPACの取引で得られる3億3000万ドルの現金を含め、ウォールボックスの時価総額は約18億ドルとなります。これには、ケンジントン社の信託による2億3,000万ドルと、PIPE(Private Investment in public equity)による1億ドルが含まれています。
この評価額により、ウォールボックスは、現在の市場で最も安価なEV充電フランチャイズの1つとなります。チャージポイント・ホールディングス(CHPT)が、時価総額が90億ドル近くあり、この業界の最大手です。
他のいくつかのEV充電企業は、まだSPAC合併を終えていません。Climate Change Crisis Real Impact (CLII)はEVgoと、Tortoise Acquisition II (SNPR)はVoltaと、TPG Pace Beneficial Finance(TPGY)は、EV Boxと合併します。この3社の時価総額は、合併が完了した時点での発行済み株式数を基準にして、それぞれ36億ドル、21億ドル、19億ドルとなっています。
各充電器メーカーのビジネスモデルは、それぞれ微妙に異なっています。例えば、Voltaは、小売店でのプレミアム・ロケーションを求めており、広告を販売する予定です。他の企業は、ハードウェアとシステムを管理するソフトウェアの販売に重点を置いています。ウォールボックスは、ハードウェアとソフトウェアのサプライヤーモデルを追求し、家庭、企業、政府に販売しているようです。
ウォールボックスのCEO兼共同設立者であるエンリック・アスンシオン氏は、「電気自動車の大量導入に伴い、家庭から始まる充電インフラの大幅な拡大が求められている」と述べています。
ウォールボックスは、6年前の設立以来、67カ国で10万台以上の充電器を販売しているそうです。バルセロナに本社を置く同社は、スペインと中国に製造拠点を持ち、来年には米国にも拠点を置くことを目指しています。