半導体製造装置メーカーのKLAに買い推奨

  • 2021年6月10日
  • 2021年6月10日
  • BS余話

半導体メーカーが今後数年間に数千億ドルの設備投資を予定している中、株価が適切に上昇していない半導体製造装置メーカーがあるとドイッチェ・バンクが指摘しています。

ドイッチェ・バンクの半導体アナリストであるシドニー・ホー氏は、半導体製造装置メーカーであるKLA(KLAC)の株価が思うように上がっていないことを指摘。KLAの第2四半期の収益率はマイナス5%であり、同業他社の収益率がプラス5%であるのに対し劣っており、本来のパフォーマンスを発揮していないと述べています。

同氏は6月9日のリサーチノートで、同社株を「ホールド」から「バイ」に格上げしましたが、目標価格は375ドルのままとしています。

同氏以外では、9名のアナリストが「買い」、10名のアナリストが「ホールド」と評価しています。平均目標価格は365.89ドルで、6月9日水曜日の終値314.16ドルから約17%の上昇余地があることを示しています。

ホーは、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)やインテル(INTC)など、ロジックチップを生産する企業が、製造施設の建設など、生産能力を拡大するために目を見張るような支出を発表していることから、KLAの株価は高く評価されるべきだとしています。KLAは、2020年度に半導体製造装置から43億3,000万ドルの売上を計上しており、売上全体の82%を占めています。

このリサーチノートの中で、ホー氏は、同社の財務諸表上、SPC(Semiconductor Process Control)と呼ばれる半導体製造装置部門を、今年は30%以上成長させることができると述べています。このような大きな成長は、アナリストのコンセンサス予想には反映されていないと同氏は言っています。

台湾セミコンダクター、インテル、サムスン電子などの大規模な設備投資計画は、KLAにも恩恵をもたらすと見られます。というのは、同社の製品は、コンピューター、データセンター、携帯電話などで使用される最先端のプロセッサーを製造するために不可欠だからです。

最大手の半導体メーカーは、製造技術の限界に挑戦し続け、1つのトランジスタのサイズをさらに縮小しています。大量の半導体を生産して利益を得るためには、これらのコストのかかるプロセスで最大限の数のチップを確実に生産することが重要です。

コー氏は、KLAの売上成長のアップサイドを制限しうる唯一の要因は、KLAの自社製品を作るために必要な部品や材料の入手状況であるとしています。

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