エヌビディア(NVDA)のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、ソフトバンクグループ傘下のアームを400億ドルで買収することについて、その見通しに懐疑的な見方が強まっているにもかかわらず、規制当局が承認するとの確信を持っていると述べました。
6月2日に台北で開催された台北国際コンピュータ見本市において、フアン氏は、中国およびその他の地域における政府の承認は、今年の終わりか2022年になるだろうとビデオで述べました。また、以前の買収では約1年半かかったため、今回も同様のプロセスになる可能性が高いと指摘しました。
「今回の買収には18ヶ月かかると予想しているので、今年の終わりから来年の初めにかけてだ。私はこの買収に自信を持っている」とし「両社は補完関係にあり、一緒になって補完的なものを提供する企業の結果として生まれるイノベーションをもたらすことになるだろう」と述べています。
このコメントは、半導体業界における史上最大の買収が、中国と英国の規制当局からの逆風に直面していることを受けて発表されたものです。
ファーウェイ・テクノロジーズ社を含む中国のテクノロジー企業は、この買収に反対するよう政府に働きかけており、アームの本拠地である英国の規制当局は、国家安全保障を理由に介入する予定であると述べています。
同時に、アームは、ソフトバンクに解雇されたものの退社を拒否しているCEOとの間で、中国部門の経営権をめぐる訴訟を抱えています。
アームは、携帯電子機器の大部分で使用されるプロセッサとアーキテクチャを設計しており、アップルの自社製M1チップやサムスン電子社のエクシノスシリコンなどを支えています。
エヌビディアは、この取引が成立してもしなくても、孫正義氏のソフトバンクに20億ドルを支払うことを約束しています。昨年9月に買収が発表されて以来、同社の株価は25%以上上昇しています。
この報道の影響でしょうか、エヌビディアの株価は6月2日のマーケットで急伸し、これまでの最高値の676.5ドルをつけました。終値は前日比3.16%増の671.13ドルでこちらもたぶん終値としては過去最高だと思われます。
2016年にこの株を最初に買った時の価格が87〜106ドルだったので、ちょっと感慨深いものがあります。アーム買収がうまく行くかは、とても不安ですけどね(^^;)