アマゾン(AMZN)は先日、広告業界誌「Digiday」に対し、独自のサードパーティ製Cookieトラッカーを立ち上げる予定であることを明らかにしました。
この動きは、アルファベット(GOOGL)が、同社のウェブブラウザ「Chrome」でユーザーデータを収集する方法を変更することを決定したことを受けてのことで、このトラッカーの立ち上げは急速に成長しているアマゾンのデジタル広告プラットフォームにとって大きな恩恵となる可能性があります。
アマゾンが開発を予定している識別技術は、同社の広告エコシステム内に限定されるものとのこと。Chromeで失われた広範な範囲におけるトラッキング機能を代替することはできないようです。
しかし、電子商取引とクラウドコンピューティングの企業であるアマゾンは、デジタル広告の分野で急速にシェアを拡大しており、便利な新しいツールを提供することで、今後も市場を拡大していくことが期待されます。ただ、アマゾンの広告用識別子がいつ発売されるかは不明です。
アルファベットは、ブラウザ、検索、モバイルOSなどの分野で主導権を握っているため、デジタル広告市場では強大な存在となっています。
しかし、これらの強みは反トラスト法上の懸念材料でもあり、米国、欧州連合(EU)、その他の市場で規制圧力に直面しています。
このような状況に対応するために、アマゾンはCookieのトラッキングに対するアプローチを変更しており、この変更は、最初にクリアしなければならないハードルがあるにもかかわらず、アマゾンにチャンスをもたらす可能性があります。
アマゾンの広告事業は、アルファベットやフェイスブックの広告事業に比べるとまだまだ遅れをとっていますが、アマゾンはこの分野で急速に地歩を固めつつあり、すでに米国では第3位のデジタル広告プラットフォームとなっています。