バロンズ選定 今年のベストパフォーマンスIPO11社

バロンズが過去12ヶ月間に上場した企業を調べ、好成績を収めた企業11社を発表しています。

選定の基準は、まず、伝統的な新規株式公開で上場した企業であること。特別目的買収会社(SPAC)と合併した企業は除外されています。

次に、ニューヨーク証券取引所またはナスダックのいずれかに上場した企業とし、その中から時価総額が10億ドル以上の企業に絞り込みました。

その中で、公募価格からのトータルリターンが高い企業を上から並べたのが以下の11社です。

会社名(報告されているもの)ティッカー公募日公募価格(米ドル)公募価格からのトータルリターン(% )
CureVac BVCVAC2020年8月14日16596.75
Zim Integrated Shipping Services Ltd.ZIM2021年1月27日15209.33
Academy Sports & Outdoors, Inc.ASO2020年10月1日13181
Dream Finders Homes, Inc.DFH2021年1月20日13144.38
BigCommerce Holdings, Inc.BIGC2020年8月4日24126.63
MediaAlpha, Inc.MAX2020年10月28日19122.74
Yalla Group Ltd.YALA2020年9月30日7.5107.6
Li Auto, Inc.LI2020年7月30日11.5102.61
CPG Newco LLCAZEK2020年6月11日2389.26
Corsair Gaming, Inc.CRSR2020年9月23日1783.65
Unity Software, Inc.U2020年9月17日5281.65
データソース:ファクトセット 2021年5月28日時点

1位のキュアバック(CVAC)はメッセンジャーRNA(mRNA)技術に特化しており、いくつかの主要なCovid-19ワクチンプログラムの基礎となっています。ドイツのバイオテクノロジー企業である同社は、8月に1株16ドルで上場し、初日に249%の急騰を記録し、終値は55.90ドルとなりました。1月にバイエル社と、同社のワクチン候補であるCovid-19の開発と供給を加速する契約を結んでいます。同社のmRNAベースのCovid-19ワクチンは現在、臨床試験中で、今夏にはフェーズ2b/3のデータが期待されています。

好調な業績は、取引開始日の成功だけで決まるものではありません。今回のリストに入った企業のうち4社は、取引初日に株式がIPO価格を下回ったことを意味する「バストディール」でした。

例えば、2位に入ったジム・インテグレーテッド・シッピング・サービシズ(ZIM)。資産の少ない海運会社であるZIMは、1月に15ドルの公募価格で上場しましたが、その日の終値は11.50ドルでした。しかし、5月19日に5億8960万ドル(1株あたり5.35ドル)の第1四半期の利益を報告した後、ZIMの株価は295%上昇しました。同社はまた、1株当たり2ドルの特別現金配当を発表しています。

もうひとつの例は、3位のアカデミー・スポーツ&アウトドアーズ(ASO)です。同社は10月に13ドルの公募価格で株式を公開し、公開取引初日の終値は12.99ドルでした。アカデミーは、IPO市場では珍しく、上場時に利益を上げていました。3月には、1月30日に終了した第4四半期の純利益が416%増の9,150万ドル(1株当たり97セント)になったと報告しています。同社の株式はIPO後に約3倍になり、5月28日には36.53ドルで取引されています。

上場後順調に株価を伸ばしたのが4位のドリーム・ファインダーズ・ホームズ(DFH)です。住宅の設計、建設、販売を行う同社は、1月に13ドルでデビューしたときには、すでに利益を上げていましたが、上場初日には61%増の20.95ドルに達しました。3月の住宅価格は2005年以来最も高い伸びを示し、これが不動産株を後押ししました。ドリーム・ファインダーズの株価は上場以来52%近く上昇し、5月28日には31.77ドルで取引されています。

デビュー時には急上昇したものの、その後株価が下落した企業もあります。

5位のビッグコマース・ホールディングス(BIGC)は、SkullCandy、Savannah Bee Co、Cleveland Cavaliersなどの顧客に利用されているクラウド電子商取引プラットフォームを提供していますが、8月に24ドルの公募価格で株式を公開し、その日のうちに株価は201%上昇し、72.27ドルで取引を終えました。株式公開後、テクノロジー業界全体が低迷する中、同社の株価は25%近く下落しました。

しかし、2月には、ビッグコマースの顧客がウォールマート・マーケットプレイスで直接販売できるようになるという契約など、いくつかの前向きな動きも報告されています。また、第4四半期の業績は予想を上回るものとなりました。結局、同社のトータルリターンは127%近くに達しています。

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