ネットフリックスに買い推奨 27%の上昇の余地

ジェフリーズのアナリストであるアンドリュー・ウアークウィッツ氏は5月19日にネットフリックス(NFLX)のカバレッジを開始、「買い」のレーティングと620ドルの目標株価を設定しました。ネットフリックスの5月19日終値は487.7ドル。目標株価は27%の上昇余地があることを意味します。

2020年に爆発的な成長を見せたネットフリックスですが、成長が鈍化しています。2021年3月期の新規加入者数はわずか400万人で、同社が予測していた600万人を大きく下回りました。

6月期の新規加入者数は100万人にとどまると予想しており、これはネットフリックスの歴史上、最も少ない四半期の増加となります。

ウアークウィッツ氏はリサーチノートの中で、ネットフリックスはストリーミングビデオの中でも「最高の必需品」としてその地位を確立したと主張しています。

また、同社は、ここからフリーキャッシュフローが黒字になると予想しているため、「既存の勢いと市場の断片化を利用して、オリジナルコンテンツを充実させることができる」ともしています。

ネットフリックスが今後5年間で、新規コンテンツの制作に1,000億ドル以上を費やす一方で、175億ドルのフリーキャッシュフローを生み出すと同氏は予想しており、このフリーキャッシュフローは、120億ドルの自社株買いと25億ドル弱の負債の返済に充てられると考えています。

同社は現在、テレビ業界と映画業界を合わせた他の業界に匹敵するオリジナルコンテンツマシンの資金を自前で調達できる状態にあり、他のコンテンツ所有者が「無数のOTT(オーバー・ザ・トップ)サービスの中から選択する」ことを消費者に強いている一方で、ネットフリックスは今年、170億ドルをコンテンツに投資する余裕があることを指摘しています。

リサーチノートの中で、同氏は強気の姿勢を支える3つの要因を挙げています。

・競争の激化により、消費者がどのサービスを利用するかを価値に基づいて選択しなければならなくなること
その中でネットフリックスは、新しいコンテンツの制作に深く取り組んでいることから、勝者になると考えています。

・2億人以上の加入者を抱えるネットフリックスの規模が、コンテンツがバイラル化する可能性を高めると考えていること

・一部の作品の劇場公開や他のストリーミングサービスへのコンテンツのライセンス供与など、補助的な収益の可能性があること
同氏考えでは、一部の作品を劇場で先行公開することで、「加入者ベースを危険にさらすことなく、大きな宣伝効果を得ることができる」という。さらに、映画制作者の中には、作品を最初に劇場で公開することを好む人もいるため、映画を最初に劇場で公開することで、「これらのアーティストをネットフリックスのテントの下に招き入れることが容易になる」と述べています。

ウアークウィッツ氏は、当面株価が横ばいで推移する可能性を認めています。通常の生活が再開するとともにストリーミングに対する需要が減ることは避けらないからです。

しかし、それは短期的なこと。パンデミックによって、ネットフリックスは 「誰もが持っている標準的なビデオストリーミングサービスとして確固たる地位を築いた 」事実が重要であるとしています。

長期的に見れば、利益は拡大し、2025年の一株当たりの利益は26.65ドル、2020年の利益の4倍以上になると予測しています。

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