ディズニー Disney+の加入者数が予想を下回り急落

5月13日のマーケット終了後に2021年度第2四半期(暦上の第1四半期に相当)の決算を発表したディズニー(DIS)。

1株当たり50セント(9億1,200万ドル)の利益を計上し、これは、前年同期比32%増で、ウォール街のアナリストの予想27セントを大幅に上回っています。売上高は、前年同期比13%減の156億ドルとなり、アナリスト予想の159億ドルを下回りました。

この日注目されたのは、売上と収益の大部分を占めるテレビ、テーマパーク、映画といったレガシー事業に関連したものではありませんでした。

配当の停止、テーマパークの閉鎖、10億ドル規模の大作映画の公開延期などがあったにもかかわらず、Disney+をはじめとするストリーミングサービスの加入者数が急増したことで、投資家たちはディズニーの株価を過去1年間で75%以上も上昇させました。

この日は、長期的なストリーミングサービスの可能性がどうなのかが焦点となっていました。

Disney+は高い期待を裏切る結果となりました。アナリストのコンセンサスでは、Disney+の新規加入者数は約1,440万人で、3月末時点で全世界の加入者数は約1億900万人になると予想されていました。しかし、第2四半期末のDisney+の加入者数は870万人にとどまり、1億360万人となっています。ディズニーによれば、減速は1~3月期に目立った新規参入国がなかったためだということです。

ボブ・チャペック最高経営責任者(CEO)は、5月13日の決算説明会で、パンデミック後に映画やテレビの制作が再び活発化し、同社のストリーミングサービスに新しいコンテンツが登場することで、加入者数の伸びが再び加速すると予想しています。

ESPN+の加入者数は、コンセンサス予想の1,340万人に対し、当四半期は170万人増加して1,380万人となり、Huluの加入者数は220万人増加して4,160万人となりました。アナリストの予測では4,080万人でした。

ディズニーの経営陣は、2024年度末までに全世界で2億6,000万人の加入者を見込んでいますが、同社の経営陣は5月13日、目標達成に向けて順調に進んでいると述べています。

ディズニーのテーマパーク事業は、リゾート施設の閉鎖や稼働率の低下により、この四半期も厳しい状況が続きました。テーマパーク事業の売上高は前年同期比44%減の32億ドル、営業損失は4億600万ドルで、前年同期の約半分の損失でした。しかし、これまでのパンデミックが発生した四半期に比べれば改善されており、予想を若干上回る結果となりました。多くの投資家にとっては、2021年初頭のディズニーパークの業績よりも、2022年または2023年のディズニーパークの業績の方が重要であると思われます。

ABCやESPNなどのチャンネルを含むディズニーのテレビ事業については、売上高は前年同期比でわずかに減少しました。しかし、営業利益は、番組制作費の減少などにより、12%増加しました。クリスティン・マッカーシー最高財務責任者(CFO)は、これらのコストの多くがディズニーの会計年度の下半期に戻ってくると警告しました。広告売上は増加しましたが、コードカッターによる視聴率の低下は続いています。

映画館の売上は、世界各地の映画館が閉鎖され、ディズニーが今年末から来年にかけて映画の公開を控えていることから、当四半期は重要ではありませんでした。

パーク事業およびコンシューマープロダクツ事業以外を含む、ディズニーのメディア・エンタテインメント配信事業全体の売上高は、1%増の124億ドルとなりました。また、営業利益は74%増の29億ドルとなり、ウォール街の予想を大きく上回りました。

Disney+の加入者数の増加は、これでも爆発的な成長であることは間違いありませんが、膨らんだ投資家の期待や約48倍のフォワード利益で取引されている株式に応えるには十分ではありませんでした。

ディズニーの株価は5月13日の時間外で3.9%減の171.4ドルと急落しています。

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