マイクロソフト 株価下落も目標価格の引き上げ相次ぐ

4月27日に好決算を発表したマイクロソフト(MSFT)ですが、材料出尽くしということもあってか28日のマーケットで株価が下落しました。終値は前日比-2.83%の254.56ドルとなっています。

決算の数字は好調でした。売上高は417億ドルで、前年比19%増となり、ウォールストリートのコンセンサスである410億ドルを上回りました。複数のアナリストが指摘しているように、マイクロソフト社は、この規模の企業としては破格の成長を見せており、年間約200億ドルの売上を追加しています。

非GAAPベースの利益は1株当たり1.95ドルで、市場予想の1.78ドルを上回りました。同社の業績は全般的に好調で、主要な3つの事業セグメントすべてで予想を上回りました。マイクロソフトは事業全体の業績見通しを発表していませんが、同社が各セグメントごとに発表した見通しを集計すると、6月の四半期の売上高は約445億ドルとなり、従来のウォール街のコンセンサスである430億ドルを大幅に上回りました。

当四半期のゲーム収入は、Xboxハードウェアの売上が232%増加したことにより50%増加。LinkedInの収入は25%増えました。トラフィック獲得コストを除いた検索広告収入は17%増加し、マイクロソフトのラップトップPC「Surface」やホワイトボードなどのハードウェア収入は12%増加しました。また、AzureやOffice 365などの要素を含むカテゴリーである商用クラウドの売上は、33%増の177億ドルとなっています。

好材料目白押しの決算だったわけですが、翌日の市場で株価は下落。一つの要因は、パブリッククラウド事業であるAzureの収益が、通貨調整後で46%増と、12月期の48%増からやや減速したこと。また、ウォール街では、売上高が予想をさらに大きく上回るのではないかと囁かれていましたが、実際にはそうではありませんでした。株価は年初来で約18%上昇していたため、利益確定の売りに押されたようです。

しかし、ウォールストリートのアナリストたちは、圧倒的に強気の姿勢を崩しておらず、約12社が決算発表後にマイクロソフトの目標株価を引き上げています。

モルガン・スタンレー証券のアナリスト、キース・ワイス氏は、当四半期のレポートの見出しを「The Case for Buying More Microsoft」としました。同氏は、商用予約が前年同期比で39%増加したことを指摘し、サービスを提供する市場が拡大していることと、IT支出におけるマイクロソフトのシェアが拡大していることを強調しました。

また、「成長の持続性に対する信頼性が高まったことで、成長の裏で投資が活発化しているにもかかわらず、当社のEPS予測は上方に移動している」と述べています。同氏は、同社の株価を「オーバーウェイト」に設定したまま、目標株価を290ドルから300ドルに引き上げ、同社の株式は引き続き “トップピック “であると述べています。

BofAグローバルリサーチ社のアナリストであるブラッド・シルズ氏も、「買い」の評価を繰り返す一方で、目標株価を300ドルから305ドルに引き上げました。同氏は、Azureの勢いと、PCの出荷台数の増加によるWindowsのアップサイドが主な要因となり、堅調な第3四半期の業績を報告したとまとめています。

J.P.モルガンのアナリストであるマーク・マーフィー氏は、リサーチノートの中で、世界最大のソフトウェア企業であるマイクロソフトが、新興企業で見られるような売上高の伸びを記録する能力に驚嘆しています。「業界、顧客セグメント、地域市場のすべてにおいて、強力な実行力に支えられた改善傾向を示している」と述べています。

経常的な売上をもたらす予約と受注残の指標は堅調であるとし「オーバーウェイト」の評価を継続、目標株価を245ドルから270ドルに引き上げました。

パイパー・サンドラーのブレント・ブレイスリン氏は、株価の下落局面での買いを勧めています。「マイクロソフトは、700億ドルを超える規模で世界最大のクラウド事業を展開しているだけでなく、シェアを拡大し、クラウド業界よりも速い成長を遂げており、40%を超える営業利益率を誇っている」と記しています。同氏は、「オーバーウェイト」の評価を据え置き、目標株価を300ドルから305ドルに引き上げました。

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