アマゾン 広告市場におけるシェアが10%を突破

米国デジタル広告市場におけるアマゾンのシェアが初めて10%を超えたことがeMarketer の調査で分かりました。

2020年、パンデミックの影響で消費者が支出をオンラインに移行する中、アマゾンは大きな恩恵を受けました。しかし、2桁の成長を遂げたのはeコマース事業だけではありません。

昨年の広告事業の成長率は52.5%で、米国のデジタル広告市場におけるアマゾンのシェアは初めて10%を超えました。これにより、米国No.3の広告パブリッシャーとしての地位をより強固なものにしています。

アマゾンの昨年の米国広告収入は157.3億ドルに成長し、市場シェアは2019年の7.8%から2020年には10.3%に拡大しました。

成長を牽引したのは、Sponsored ProductsとSponsored Brandsによる検索収入で、Amazon Fire TV、Twitch、IMDb TVなどのプロパティでの動画広告収入も大きく伸びました。

インサイダー・インテリジェンス社のeMarketer主席アナリスト、ニコル・ペリン氏は、マーケットプレイスで販売する商品を持つ広告主にとってアマゾンの広告は以前から必須のものであり、それは今も変わってないこと。そして、パンデミックの影響で、より多くのブランドや小売業者がアマゾンで販売することを検討しているとしています。

同氏は、今年、アマゾンの米国での広告事業はさらに30.1%成長し、初めて200億ドルを突破し、2020年第4四半期の予測を上回ると予想。2023年には300億ドルを超えるまで拡大すると見ています。

eMarketer社のインサイダー・インテリジェンスのシニア予測アナリスト、エリック・ハグストロム氏は、消費者がより多くの支出をオンラインで行うようになると、トレード支出やショッパーマーケティングも急速に追随するようになり、その大部分がアマゾンに流れ込むことになるとし、NFLの放映権への投資や、広告をサポートするビデオ資産も、大きな成長をもたらすことを指摘しています。

注目されるのは、米国のデジタル広告収入全体に占めるグーグルのシェアを、アマゾンが徐々に奪い続けていることです。。グーグルのデジタル広告事業が売上を伸ばしても、2020年に28.9%だったシェアは、2023年には26.6%に縮小すると予測されています。

アマゾンが検索チャネルの収益化を進めているため、検索におけるシェアをグーグルから奪っています。アマゾンの検索広告事業は、2021年に145億3000万ドルに成長し、米国の検索広告費に占めるシェアは、2019年の13.3%から19.0%に上昇すると見られ、2022年末には、そのシェアは20%を超えるものと予測されています。

検索広告や小売店のプロパティでのディスプレイ広告などを含むECチャネル広告は、アマゾンの広告事業の約89%を占めています。アマゾンの広告収入の残りは、動画プラットフォーム上の広告と、アマゾンDSPを通じて販売されるオフプロパー広告によるものです。

また、アマゾンは、米国で先駆的に導入した広告カテゴリーにおいて、eコマースの競合他社を圧倒しています。今年、アマゾンは、約240億ドルのeコマースチャネル広告市場の76.2%を占めることになりますが、第2位のウォルマートは、わずか6.5%のシェアにとどまります。

デジタル広告は、アマゾンの最大の成長機会のひとつです。eコマースで市場をリードしているため、アマゾンは大きな強みを持っています。また、市場をリードするクラウドサービス Amazon Web Servicesのおかげで、分析や人工知能(AI)のリソースも持っています。

Cowen社のレポートでは、アマゾンは2026年にデジタル広告の売上を852億ドルにまで伸ばすことができると推定されています。

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