アップル(AAPL)が自動車の製造を開始すれば、時価総額は3兆ドルに達するとアナリストが指摘しました。
シティのアナリスト、ジム・スバ氏が3月12日のリサーチ・ノートで明らかにしたもので、自動車市場への参入が、アップルの時価総額を2兆ドルから3兆ドルに押し上げるきっかけになるかもしれないとしています。
同氏は、自動車のマージンが現在の同社の平均を下回ることは認めていますが、アップルにとってのリターンは資本コストを上回り、株主価値を生み出すものになると考えています。
スバ氏は、2025年までに電気自動車の市場規模は、PC、タブレット、スマートフォン、ウェアラブル市場の合計よりも大きくなると予想。アップルが自動車市場に参入するかどうかの議論は、”if “ではなく “when and to what extent “であると我々は考えていると書いています。
アップルが自動車への参入を検討する理由のひとつは、それを行うリソースがすでに同社にあるからだとし、アップルが年間700億ドル以上のフリーキャッシュフローを生み出し、自社株買いや配当に継続的に現金を投入しているため、同社にはまだ余剰の現金があることを指摘しています。
アップルがどのように市場に参入するかについて、同氏が提示しているシナリオは2つ。
より積極的なシナリオでは、アップルは外注生産を利用してApple Carを製造し、全体の売上を10%から15%押し上げ、EBITDA(利益、税金、減価償却前利益)を5%から11%押し上げるというもの。
もうひとつはアップルが以前から取り組んでいるCarPlayにより力を入れて行くというシナリオ。その場合、売上高に約2%、EBITDAに1~2%の影響が出る可能性があると考えています。
スバ氏は、外注生産で自動車を作る方が、アップルにとってははるかに大きなインパクトがあるとしており、自動車生産のリードタイムが長いことを考えると、そのような参入は2023年以降になるだろうとしています。
同氏がアップルが自社の車に搭載する可能性のあるイノベーションとしてリストアップしたのは以下の項目です。
- タッチ式のスマートなサイドウィンドウディスプレイで、エンターテインメントの視聴やネットサーフィンができる。
- フロントガラスに映し出される、ナビゲーション、天気、安全情報。
- 同伴者のいない子供が車内に取り残されないようにするための、子供の安全性の検知
- 安全上の問題や違反行為を検知し、家族に通知する機能
- Apple TV+とApple Arcadeを中心とした車内エンターテイメント
- ハンズフリーで食料品や食品などの注文が可能
- ピックアップの通知
- キーレスカーエントリー
- 車のメンテナンスやサービスのお知らせ、サービスセンターへのロボドライブ
- ワイヤレスデバイス充電
- 大容量パワーマットで自宅などでのワイヤレスカー充電
- 太陽電池による車の充電