2月に株式を公開したばかりの ON24(ONTF)の株価が急騰しました。少なくとも7人のアナリストが、オンライン・イベント企業を強気の評価で取り上げたことによるものです。
会社概要
ON24は米国のデジタルマーケティング会社。法人向けにソフトウェアプラットフォームON24を通し、常にアクセスできるカスタムウェビナー、コンテンツ、バーチャルイベントの作成・配信ソリューションを提供。オンラインでの製品紹介や講演、イベントを通し、企業と視聴者とのエンゲージメントを促進。本社所在地はサン・フランシスコ。
出所:Yahoo!Japan ファイナンス
ON24は、クラウドベースのデジタル・エクスペリエンス・プラットフォームを提供する。プラットフォームは、インタラクティブなウェビナー・エクスペリエンス、仮想イベント・エクスペリエンス、およびマルチメディアコンテンツ・エクスペリエンスを通じて、企業が顧客エンゲージメントを収益に変換することを可能にするものである。プラットフォームおよび関連サービスにアクセスするための顧客とのサブスクリプション契約から収益を得ている。
出所:マネックス証券銘柄スカウター
企業URL | 英語 https://www.on24.com 日本語 https://www.on24.co.jp |
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IPO後の株価の動向
同社は2月3日に1株50ドルで上場し、77ドルで取引を開始し、初日は70.82ドルで取引を終えました。その後、81.98ドルの最高値を付けたこともありましたが、徐々に失速。先週は60ドル台を切り55から56ドルで推移していました。そして、今日(3月2日)に急騰。前日比12.09%増の63.4ドルで引けています。
同社の新規株式公開目論見書によると、9月30日に終了した9ヶ月間で58%増の1億370万ドルの売上高を計上。純利益は1,120万ドルとなっています。コロナ禍によってバーチャル・イベントが増えたことが追い風となりました。
アナリストの評価
最もアグレッシブなスタンスを取ったのは、J.P.モルガンのアナリストであるスターリング・オーティ氏。目標価格を85ドルとしました。パンデミックの後、企業間のマーケティングがデジタルと対面のミックスに移行していく中で、ON24には強力な未来があると予測しています。
キーバンク・キャピタル・マーケッツのアナリスト、アレックス・カーツ氏は、ON24を「オーバーウェイト」と格付けし、目標株価を70ドルに設定。84ドルまで行くこともあり得るとし、今後2年間で25~30%の持続的成長を牽引する新規顧客の強固な基盤を持っていることを理由にあげています。
パイパー・サンドラーのブレント・ブラケリン氏も同様に、「オーバーウェイト」格付け、目標価格 70ドルでカバレッジを開始しました。「旅行の規制や人と人が直接接触するマーケティングをやめたことが、ON24のブラックスワン現象を引き起こし、記録的な需要を牽引した」とし「2021年には成長は緩やかになると予想されるが、デジタル化の追い風は持続し、今後3~5年はディジタルマーケティングに費用が投じられる」としています。
他の4社(Baird、Canaccord、William Blair、Needham)のアナリストも同様に強気の評価をしています。