世界的な半導体不足が起こっています。自動車からデータセンター、テレビゲーム機まで、あらゆるものに使用される半導体。買い手が多すぎて供給が追いつかない状態です。
この状況を反映してフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は過去5年間で433%成長。S&P 500の104%、ナスダックの208%をはるかに凌駕しています。
ただ、過熱感もあって、エヌビディア(NVDA)は来年の予想利益を使った「予想PER」(forward P/E)で50倍、アドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)は46倍で取引されています。SOX全体で見ると予想PERは26.8倍ですが、指数の約半分の企業がこの数字を大きく上回っています。
そんな中、米国のバロンズ紙が半導体不足の恩恵を受ける余地のある銘柄を見つけるための方法としてSOX構成銘柄をスクリーニング、予想PERが20以下の銘柄8つをピックアップしました。
会社名(ティッカー) | 時価総額 | 株価 | 予想PER |
インテル(INTC) | $251.2 | $61.9 | 13.0 |
コルボ(QRVO) | 19.8 | 174.6 | 16.5 |
マイクロン・テクノロジー(MU) | 96.3 | 86.1 | 17.2 |
MKSインスツルメンツ(MKSI) | 9.1 | 164.6 | 17.9 |
ブロードコム(AVGO) | 195.2 | 482.5 | 18.4 |
スカイワークス・ソリューションズ(SWKS) | 31.7 | 192.1 | 19.2 |
クアルコム(QCOM) | 164.4 | 144.8 | 19.4 |
NXPセミコンダクターズ(NXPI) | 53.1 | 189.7 | 19.8 |
上記リストは予想PERの低い順。つまり、SOXの中の割安株の最下位から下から8番目までを並べたものということです。
インテル(INTC)が最下位なのは、製造問題により市場の信頼を失っていたから。2月15日のCEO交代以来、株価は40%以上上がっており反転への期待は高まっています。
コルボ(QRVO)はアップル(AAPL)や他のスマートフォンメーカーが使用している高周波チップを製造しており、5Gハードウェアの展開や新しいWi-Fi規格の恩恵を受けている会社です。
2月初め、堅実な第3四半期決算を報告。レイモンド・ジェームスのアナリスト、クリス・カソ氏は決算後のレポートで「より多くの人が5G携帯電話を購入していることから、まだ株に上昇余地があると見ている」と書いています。
スカイワークス・ソリューションズ(SWKS)もアップルのサプライヤー。1月の決算発表で、アップルの売上高が四半期収益の70%に達したことを示唆して投資家を驚かせました。
業界の巨人、ブロードコム(AVGO)とクアルコム(QCOM)もこのリスト入り。クアルコム(QCOM)は2月初めに決算を発表しましたが驚きを与えることはできませんでした。5G 携帯電話用のさまざまなチップが同社の成長の原動力の 1 つであることを決算発表の場で明らかにしており、次世代携帯電話の展開によって恩恵を受けています。
オランダに本拠を置くNXPセミコンダクターズ(NXPI)は自動車用半導体のサプライヤー。コロナ禍の初期に自動車販売が低迷した後、消費者は熱狂的に自動車を購入するようになり、半導体の在庫を枯渇させて、自動車メーカーを驚かせました。自動車関連製品の需要が旺盛になっており、2021年まで続くと予想されています。