スペースX、米国に第4の携帯通信会社を構築へ!基地局8万カ所確保で通信大手3社に迫る脅威

✨ この記事でわかること

  • スペースX(SPCX)が全米8万カ所の携帯通信基地局の利用に向けて協議を進め、米国通信市場への本格参入を目指しています。
  • シティは2030〜2032年のサービス開始を予測し、必要な投資額は1,000億ドルを超えると試算しています。
  • 10月23日の終値ではAT&Tが7.96%、TモバイルUSが7.71%下落する一方、クラウン・キャッスルは9.06%上昇しました。

スペースXが全米8万カ所の基地局利用を計画

イーロン・マスク氏が率いるスペースXによる米国携帯通信市場への参入計画が、具体化し始めました。

ブルームバーグは2026年10月22日、スペースXが全米で少なくとも8万カ所の携帯通信基地局を利用するため、通信インフラ企業と協議していると報じました。交渉先には大手通信塔運営会社クラウン・キャッスル(CCI)が含まれていますが、正式な契約成立は確認されていません。

スペースXが目指すのは、衛星インターネットサービス「スターリンク」と地上の携帯通信網を組み合わせた全国規模の通信サービスです。

実現すれば、AT&T(T)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、TモバイルUS(TMUS)が支配的な地位を占める米国通信市場に、第4の全国規模の競争相手が登場する可能性があります。

シティは2030〜2032年の参入を予測、投資額は1,000億ドル超

10月23日付のバロンズによると、シティのアナリスト、マイケル・ロリンズ氏は、スペースXの本格的な携帯通信サービス開始を早くても2029年、より現実的には2030〜2032年と予測しています。

最大の課題は、周波数帯の確保と地上通信網の構築です。

同氏の推計では、スペースXが確保を進める周波数帯は約80MHzで、TモバイルUSの約400MHzの5分の1程度にとどまります。

必要な投資額も巨額です。

投資項目シティの推計
地上通信ネットワーク設備200億ドル
追加の周波数帯取得200億ドル
2031年までの無線通信関連追加投資総額1,000億ドル超

総額1,000億ドル超には、地上設備や周波数取得などへの支出が含まれます。TDカウエンも、全国規模の地上通信網構築に800億ドル超が必要と試算しています。

ただし、スペースXが既存の携帯通信会社を買収すれば、周波数帯や通信設備、顧客基盤をまとめて取得でき、参入時期が早まる可能性があります。

周波数取得を加速、スターリンクの売上高は52億ドル超

スペースXは通信網構築に必要な周波数帯の取得も進めています。

10月8日には投資会社Grain Managementから、全国規模の800MHz帯周波数資産を取得する契約を締結しました。買収金額は報道ベースで約80億ドルとされ、取引完了は2027年上半期を見込んでいます。

800MHz帯は建物などの障害物を越えて電波が届きやすく、広域をカバーする通信網の構築に適しています。ただし、取引には規制当局の承認が必要です。

また、スペースXが10月20日に発表した2026年第3四半期決算では、スターリンクを含むConnectivity部門の売上高が前年同期比69%増の52億4,800万ドル、調整後EBITDAが34億9,900万ドルとなりました。

スターリンクの個人契約者数も1,360万人に達し、前四半期から160万人増加しました。

これらの数字は、スペースXが大規模な通信事業基盤を確立していることを示しています。ただし、Connectivity部門には企業・政府向け事業も含まれ、既存の衛星通信契約者がそのまま携帯通信契約者になるわけではありません。

AT&TとTモバイルが約8%急落、通信塔関連株は上昇

10月23日の米国株式市場では、スペースXの参入計画を受けて通信関連株の明暗が分かれました。

通常取引の終値に基づく株価動向は以下の通りです。

企業10月23日終値前日比
AT&T20.93ドル-7.96%
TモバイルUS146.54ドル-7.71%
ベライゾン44.66ドル-1.19%
クラウン・キャッスル85.97ドル+9.06%
アメリカン・タワー188.97ドル+4.08%
SBAコミュニケーションズ184.75ドル+3.57%
スペースX147.49ドル+1.89%

※2026年10月23日の米国通常取引終値。騰落率は前営業日終値との比較です。

AT&TとTモバイルUSはともに約8%下落しました。投資家が将来的な料金競争や顧客流出のリスクを強く警戒していることがうかがえます。

一方、クラウン・キャッスルは9.06%上昇し、通信塔企業の中でも際立った値動きとなりました。スペースXによる基地局利用が新たな賃貸収入につながるとの期待が背景にあります。

アメリカン・タワー(AMT)やSBAコミュニケーションズ(SBAC)も上昇しており、同じニュースが既存通信会社には逆風、通信インフラ企業には追い風として受け止められています。

また、周波数資産をスペースXに売却し、対価として同社株式も取得するエコスター(ECHO)にも注目が集まっています。

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今後の注目点と投資家への影響

今後の焦点は、基地局8万カ所の利用交渉が正式契約に進むか、追加の周波数帯をどこまで確保できるか、そして巨額の設備投資をどのように賄うかです。

特に既存通信会社の買収や大型提携が発表された場合、参入時期に関する市場の予測が大きく変わる可能性があります。

また、AT&Tなど既存通信会社の顧客解約率や利益率に変化が生じるかどうかも重要です。

まとめ:米国通信業界の競争構造が変わる可能性

スペースXは、衛星通信と地上通信網を融合させることで、米国第4の全国規模携帯通信事業者になることを目指しています。

シティは本格参入まで数年を要すると予測していますが、基地局利用交渉や周波数帯の取得が進めば、計画が前倒しされる可能性があります。

10月23日の株価反応では、AT&TとTモバイルUSが約8%下落した一方、クラウン・キャッスルは9%超上昇しました。この対照的な値動きは、通信サービスの競争激化と通信インフラ需要の拡大を市場が異なる投資材料として評価していることを示しています。

巨額の投資負担や規制上の課題は残りますが、スペースXの動きは、米国通信業界の将来的な構造変化を考えるうえで重要な材料となっています。

情報ソース

企業公式資料・一次情報

報道・市場情報

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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