AIチップ競争激化、エヌビディア株が急落

AMD

10月14日の米国株式市場で、エヌビディア(NVDA)の株価は前日比4.4%安の180.04ドルと反落しました。これは、人工知能(AI)向け半導体市場での競争が激化することへの懸念が投資家の間で広がったためです。前日の13日には2.8%上昇していましたが、その上昇分を打ち消す形となりました。

オラクルとAMD がAIスーパーコンピューターで提携

クラウドサービス大手のオラクル(ORCL)は、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の次世代AIプロセッサ「Instinct MI450」を搭載した初の公開AIスーパーコンピューターを共同で立ち上げると発表しました。2026年第3四半期にかけて5万個のチップを導入する計画です。

この発表により、AMDがAIチップ市場でエヌビディアからシェアを奪うのではないかという懸念が広がりました。AMDのMI400シリーズは、ラックスケール構成の72プロセッサAIサーバーを備えた初の製品群となり、エヌビディアにとって本格的な競合となる可能性があります。
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ブロードコムもAIアクセラレーターで存在感を示す

ブロードコム(AVGO)の株価は3.5%下落しましたが、前日はオープンAIとの提携発表を受けて約10%上昇しました。両社は10ギガワット規模のカスタムAIアクセラレーターを共同開発・展開する予定です。これはエヌビディアとオープンAIが先月合意した同規模の契約に匹敵します。エヌビディアはオープンAI向けに10ギガワットのAIインフラを提供し、最大1000億ドルを投資すると発表しています。
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メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏は「このコンピュート需要の高まりにより、他の企業も競争のために設備投資を増やす必要がある。メタやグーグルなどのブロードコム顧客も想定以上の支出を行う可能性がある」と述べています。「コンピュート能力がなければ競争に参加できない。したがってブロードコム、エヌビディア、AMDの3社はいずれも恩恵を受ける」と分析しました。

エヌビディアが「世界最小のAIスーパーコンピューター」を発表

一方、エヌビディアは小型AIスーパーコンピューター「DGX Spark」を発表しました。同社はこれを「世界最小のAIスーパーコンピューター」と呼び、開発者がAIエージェント(複数のステップを自律的に実行できるプログラム)を構築し、クラウドではなくローカル環境で高度なAIソフトウェアを実行できるようにすると説明しています。

エヌビディア、AMD、ブロードコムといった主要半導体企業の動きは、AI時代のインフラ競争を象徴しています。各社は単なるチップ供給にとどまらず、AI開発のプラットフォーム全体を支配しようとする新たな段階に入りつつあります。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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