現在、マイクロソフトとグーグルは、人工知能(AI)技術の利用拡大競争を繰り広げています。この競争は、投資家にとって新たな投資先を見つける好機になると思われます。特に、両社と提携しているサプライヤー企業に注目することが重要です。
マイクロソフトとグーグルの動向
マイクロソフト (MSFT)は現在、Build開発者カンファレンスを開催しており、AIに焦点を当てています。グーグルの親会社アルファベット (GOOGL)も先週、同様のイベントを開催しました。両社から得られる明確なメッセージは、AI対応サービスをサポートするためのクラウドコンピューティング・インフラへの数百億ドルの追加投資が期待できるということです。
設備投資の増加
メリアス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏によると、マイクロソフトの設備投資額は今年の450億ドルから来年には600億ドル以上に増加すると予想されています。同様に、アルファベットの設備投資も来年には500億ドルを超える見込みです。
サプライヤー企業の注目株
エヌビディア
AIモデルのトレーニング用ハードウェアとして好まれるエヌビディア(NVDA)は、1年半足らずで株価が6倍以上に上昇しました。同社は引き続き重要な受益者になると予想されます。
AMDとブロードコム
マイクロソフトは、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD)のMI300xチップをエヌビディアのハードウェアの代替品として提供することを確認しました。また、グーグルは、ブロードコム(AVGO)が設計に携わったカスタムAIチップであるテンソルプロセッシングユニットの第6世代を発表しました。
データセンター市場の成長
J.P.モルガンのウィリアム・ヤン氏によると、AIブームは2023年から2028年までのデータセンター用電源市場の年平均成長率を24%に押し上げると予測されています。さらに、同期間の冷却部品の年平均成長率は54%と見込まれています。
電源・冷却装置のプロバイダー
ヤン氏は、AIサーバーの普及と電力消費の増加から恩恵を受ける銘柄として、米国上場のバーティブ・ホールディングス(VRT)を挙げています。また、アジアのサプライヤーとして、デルタ・エレクトロニクス (2308.TW)、アジア・バイタル・コンポーネンツ (3017.TW)、オーラス・テクノロジー (3324.TW) が注目されています。
まとめ
AI技術の利用拡大競争は、マイクロソフトとグーグルの設備投資を後押しし、それに伴うサプライヤー企業の成長を促進します。投資家は、エヌビディア、AMD、ブロードコム、バーティブ、デルタ・エレクトロニクス、アジア・バイタル・コンポーネンツ、オーラス・テクノロジーといった企業に注目することで、AIブームの恩恵を享受できそうです。