3月2日に会計年度第4四半期の決算を発表し予想を下回るガイダンスを示した半導体メーカーのマーベル・テクノロジー(MRVL)。3日の市場では6%安と株価が大きく下落していますが、アナリストの多くは強気の姿勢を崩していません。
Evercore ISIのアナリスト、C.J.ミューズ氏は、今後の四半期についてより慎重な姿勢を示した同社に合格点を与えようと考えています。
「経営陣が(下期の)回復を控えめにしたことはネガティブサプライズかもしれないが、3回のマイナス修正に続いて、現時点では慎重で保守的な見通しが本当の意味を持つことは明らかだ」と同氏は顧客向けメモで述べています。
同氏は、決算を受けてマーベル株の「アウトパフォーム」の格付けを維持し、5Gや自動車などの分野で好調が続く可能性や、暦年後半にデータセンターが回復する可能性があり、「予想は明らかに底を打っている」と記しています。
レイモンド・ジェームズのアナリスト、スリニ・パジュリ氏は、マーベルの売上の見通しが予想を下回ったことは「まったく驚くべきことではない」としながらも、「粗利率の見通しの低下とクラウドに最適化した製品の立ち上げの遅れは予想外だった」と述べています。
同氏も、「アウトパフォーム」の格付けを継続し、見通しには「失望した」としながらも、マーベルの「マージンの不調は一時的なものである」との見解を付け加えています。
TDコーウェンのマシュー・ラムゼー氏は、「短期的なマイナス要因に加え、(製品)ミックスが売上総利益率に重くのしかかり、自社株買いを一時停止していることが(1株当たり利益を)圧迫している」と述べ、目標株価を55ドルから50ドルに引き下げたものの、「アウトパフォーム」の格付けは維持しています。
UBSのアナリスト、ティモシー・アルキュリ氏は、今回のレポートによって、マーベルの見通しは「さらにリスクが低下した」とポジティブに捉え、同社は「主要なクラウド顧客と新しいコンテンツをまだ固定している」とし、「出荷量は、ifではなくwhenの問題だ」とコメントしています。
「投資家が経営陣のガイダンスとコメントに対する信頼を取り戻すまで、株価はペナルティーボックスの中に置かれる可能性が非常に高い」と同氏は見ており、目標株価を75ドルから60ドルに引き下げましたが、「買い」の格付けは維持しました。「ほとんどの同業他社に比べてまだあまり大きくない同社の成長のベクトルの数はまだ非常に多い」と評価しています。
アナリストはほぼ一様にマーベルを強気で見ています。ファクトセットが追跡している31人のアナリストのうち、28人が買い、3人がホールドの評価をしており、平均目標株価は56.74ドルと、43.27ドルの現在の株価より30%強高くなっています。
*過去記事「2023年に2〜3倍の大幅上昇が期待できる半導体株4つ」