キンダー・モルガン S&P500トップクラスの高配当が継続的に期待できるエネルギー株

エネルギー業界は、現在、S&P500のセクターの中で最も高い配当利回りを提供しています。その中でもキンダー・モルガン(KMI)はリーダー的存在で、配当利回りは現在約6%となっています。

エネルギーセクターだけでなく、キンダーモルガンは現在、S&P500銘柄の中でもトップ10に入る配当利回りを提供しています。平均的なエネルギー株より50%近く高く、S&P500の平均2%未満より3倍以上高くなっています。

同社については昨年の7月と8月に2回続けて記事を掲載しました。
配当利回り6.5%のキンダー・モルガンに注目
キンダー・モルガン 継続的に高配当が期待できるエネルギー関連銘柄

そして、つい最近も「23年、24年に配当利回り5~10%が期待できる15の配当銘柄」で今後2年は高配当が継続されそうな銘柄のひとつとしてご紹介したばかりです。

高利回り銘柄は往々にしてリスクプロファイルが高いものですが、キンダー・モルガンに関してははそのようなことはありません。北米最大の中流エネルギー会社の同社は、長期契約と政府規制の料金体系に支えられ、比較的安定した収益をあげています。そのため、キャッシュフローの見通しが非常に良くなっています。

同社は今年、48億ドル(1株当たり2.13ドル)の分配可能キャッシュフローを生み出すと予想しています。これは、変動金利債務の金利上昇の影響により、2021年の総額を3%ほど下回っていますが、それでも配当と資本支出を賄うには十分すぎるほどの資金を提供することになります。

今年は2%増の1株当たり1.13ドルの配当を予定しており、配当性向は53%と保守的な水準になります。この結果、同社は約22億6000万ドルの余剰資金を生み出すことができ、計画されている21億ドルの拡張関連支出をカバーするのに十分すぎるほどの額になります。

2%の配当増額は、6年連続の増配となります。同社はすでに相当な利回りを確保していることから、今後数年間は緩やかな配当増額になることが見込まれています。ただ、配当だけではなく、さらに自己株式取得プログラムを通じて余剰資金を株主に還元することも予定しています。

同社の配当可能キャッシュフローは、金利やその他の逆風により、過去数年間減少しています。しかし、第4四半期の電話会議で共同創業者兼会長のリチャード・キンダー氏が述べたところによると、同社は、拡大した一連の拡張プロジェクトが「2024年以降に素晴らしい成長を遂げる」と見ているようです。これによるキャッシュフローの増大は、今後2〜3年の間、配当の増額を続けるための支えとなることが期待できます。

一方、同社はさらなる成長機会の確保に向けた取り組みも続けています。天然ガスの需要は、特に液化天然ガス(LNG)施設からの需要が増え続けています。同社の広大なパイプラインは、将来的にこれらの施設により多くのガスを供給するための優れた立地条件を備えています。

キンダー・モルガンはまた、低炭素エネルギーへの転換を徐々に始めており、再生可能な天然ガス施設や再生可能燃料のハブをいくつか建設中です。また、多くの二酸化炭素回収・隔離プロジェクトのプロジェクトにもいち早く取り組んでいます。これらの投資先の成長と新たな成長機会を求めての買収へのさらなる投資は、同社のキャッシュフローを成長させ、緩やかな配当成長を続けるための資金を提供することになると予想されます。

キンダー・モルガンは、S&P500の中でトップクラスの高い配当利回りを提供している企業のひとつではありますが、その配当は堅固な基盤から生み出されたものです。強固な財務状況と視界良好な将来性により、同社が将来的に配当を増やし続けることができる可能性は非常に高いと思われ、継続的に多くの配当収入を得たい願う投資家にとっては魅力的な選択肢となっています。

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