現在の決算シーズンは、ソフトウェアメーカーにとって厳しいものになる可能性が非常に高いと見られています。来週10月24日からはマイクロソフト(MSFT)、SAP(SAP)、サービスナウ(NOW)などのソフトウェア大手企業が決算を発表し、第3四半期の報告シーズンが幕を開けます。
秋は米国の多くの企業にとって伝統的に予算の季節ですが、足元の厳しい経済情勢を反映して、ソフトウェアに割く予算を厳しく査定する企業が増えており、2023年はソフトウェア支出を削減する企業が多くなることが予想されています。
このような厳しい時代を乗り越えるためには、しっかりとしたキャッシュを稼ぎだす力を持ち、かつ確かな成長力を持つ必要があります。
そのような前提に立って、米国に上場する147のソフトウェア銘柄を経済誌バロンズが選別しています。詳細な数字は明らかにされていませんが、147社の中から、今後12ヶ月間のフリーキャッシュフローがプラスになると予測される企業だけをピックアップ。さらに、予想されるフリーキャッシュフローの実際の金額が相当なものであることも選別の条件となっています。
そして、それに加えて今後12ヶ月間の予測売上成長率が2桁であることが条件となっています。
そうした基準によってピックアップされたのが以下の10の銘柄です。
・マイクロソフト(MSFT)
・セールスフォース(CRM)
・インテュイット(INTU)
・フォーティネット (FTNT)
・クラウドストライク(CRWD)
・Zスケーラー(ZS)
・トレードデスク(TTD)
・ゼンデスク(ZEN)
・ズームインフォ・テクノロジーズ(ZI)
・ハブスポット(HUBS)
これらの10社は、それぞれ十分な予測フリーキャッシュフローを持ち、今後12ヶ月間の平均予測売上成長率は36.4%となっています。また、フリーキャッシュフローの利回りも平均3%と、まずまずです。
ダントツの存在なのがマイクロソフト。今後1年間のフリーキャッシュフローは700億ドルと予想されています。売上高成長率14%は、このグループの中では最も低い水準ですが、同社の規模を考えると、この成長率は注目に値します。
セールスフォースも、フリーキャッシュフローの大きさではトップクラスに位置しています。創業23年目にして20%近い成長率はすばらしい数字です。
インテュイットは税務ソフトや会計ソフトの確実な販売でキャッシュを稼いでいます。1980年代半ばの設立という老舗にもかかわらず30%の成長が見込まれるのは特筆すべきことです。
フォーティネット、クラウドストライク、Zスケーラーの3社はセキュリティソフト関連。3社の製品は確実に安定したキャッシュフローを生み出しており、予測される売上の成長率も非常に健全です。
トレードデスクは比較的若い会社で、ストリーミングビデオなど、現代の広告市場で巨額のキャッシュを手にしています。その売上成長のレジリエンスの高さは、このグループの中でも際立っています。
ゼンデスク、ズームインフォ・テクノロジーズ、ハブスポットの3社は「エクスペリエンス・マネジメント」という新しい分野に分類される企業。企業が一般顧客(見込み客と既存顧客の両方)と接する方法のあらゆる側面をサポートする製品を提供しているため、厳しい経済環境下にあっても企業予算を確保できる可能性が高いと見られています。
*過去記事
・マイクロソフト(MSFT)
・セールスフォース(CRM)
・インテュイット(INTU)
・フォーティネット (FTNT)
・クラウドストライク(CRWD)
・Zスケーラー(ZS)
・トレードデスク(TTD)
・ゼンデスク(ZEN)
・ハブスポット(HUBS)