パロアルトネットワークス 好決算と株式分割発表で12%を超える上昇

  • 2022年8月24日
  • 2022年8月24日
  • BS余話

パロアルトネットワークス(PANW)は8月22日に発表した同社の第4四半期決算の内容が良かったことと1株を3株にする株式分割を発表したことで、23日の市場で12.1%高の569.51ドルと急騰しました。

パロアルトネットワークスの2022年度第4四半期(7月31日終了)の売上高は、企業向け案件の強い勢いに後押しされて、前年同期比27%増の16億ドルとなりました。この結果、調整後の1株当たり利益(EPS)は2.39ドルとなり、49%急増しました。一般に公正妥当と認められた会計原則(GAAP)によれば、同社は4年ぶりに黒字となり、2023年度も黒字を維持する見通しです。

アナリストのコンセンサス予想では、売上高は15億ドル、EPSは2.28ドルでしたので、同社はこの2つのハードルを軽々とクリアしたことになります。

売上高には、まだ売上として計上されていない契約上の売上高が含まれますが、これは継続的な成長の見通しを示すのに役立ち、将来は明るいと言えます。請求額は前年同期比44%増の27億ドルに達し、売上高の伸びを上回ったことから、同社は今後も堅調な業績を維持できる体制が整っていると考えられます。

さらに、取締役会は、1株を3株に分割する株式分割を承認しました。2022年9月6日営業終了時点の株主に対し、所有株式1株につき2株の割合で株式を追加発行し、9月13日営業終了後に配布します。株式は9月14日に分割調整後のベースで取引を開始する予定です。

このように素晴らしい内容の決算発表でしたが、22Vリサーチのテクニカル・アナリスト、ジョン・ロケ氏は、パロアルト株の勢いが鈍化しているとして、空売りを勧めています。今の勢いを認めながらも「テスラもそうだが、株価の勢いはかなり衰えており、バウンドしたら売る、あるいはバウンドしたら空売りするのがいいのではないか」と同氏は述べています。

ロケ氏によればパロアルトの株価が550ドルより上に長くとどまったことはなく、「500ドル後半から550ドルプラスは(株価にとって)難しい場所であり、私はむしろそこで売りを行いたい」としています。

しかし、同銘柄をカバーしているウォール街のアナリストたちは、概ねパロアルトの今回の発表内容について好意的です。

ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダニエル・アイブス氏は、23日付けのリサーチノートで「同社のクラウド主導の戦略は、現場のサイバーセキュリティーの顧客とますます共鳴しているようだ」と書いています。

同氏はまた「クラウドへのシフトはパロアルトにとって大きな追い風であり、同社は不透明なマクロ背景にもかかわらず、この数年にわたるサイバーセキュリティ企業支出の波から利益を得るために適切なタイミングで適切な場所にいる」とも述べています。

アイブス氏は同株式の「アウトパフォーム」のレーティングを維持しましたが、12ヶ月の目標株価を580ドルから620ドルに引き上げています。

トゥルイスト証券のアナリスト、Joel Fishbein氏も同銘柄の「買い」レーティングを継続し、目標株価も675ドルを維持しました。同社の好業績について、「強力な実行力、強固な製品更新サイクル、在宅勤務の追い風、厳しいマクロ経済環境下での次世代セキュリティの継続的成功が要因」と評価しています。

ファクトセット調べではパロアルトネットワークスをカバーしている36人のアナリストのうち、92%が「買い」と評価し、8%が「ホールド」としており、「売り」の評価はゼロとなっています。

*過去記事「パロアルトネットワークスは割安とアナリストが推奨

最新情報をチェックしよう!