2021年の最後の週に多くの成長株が売り込まれたため、将来有望なテック系の成長株がお手頃な価格で購入できる状態になっているのが、2022年の営業日初日を迎える米国市場の現状です。そんな中で、おすすめの注目成長株をモトリーフールがピックアップしていますので、ご紹介します。
マーベル・テクノロジー・グループ(MRVL)
ディズニーの映画スタジオと同じような名前を持つ半導体設計会社は、最近ウォールストリートのアナリストたちからの注目を集めています。
ここ数年の相次ぐ買収により、マーベルは、人工知能(AI)のようなますます複雑なワークロードに対応できるデータセンターのハードウェア・ソリューションのリーダーへと変貌を遂げました。
しかし、それはデータセンターで終わるものではありません。前回の四半期決算説明会でマーベルは、現代の自動車は車輪のついたミニスーパーコンピュータのようなものであることから、自動車業界でのビジネスチャンスについて語りました。
自動車の製造コストの一部は技術によってまかなわれており、マーベルはデータ・コンピューティング・チップやネットワーク機器などの多様な製品を提供することで、ますます高度化する自動車技術から利益を得るための重要なポジションを占めています。現在、マーベルの自動車部門の年間売上は約1億4,000万ドルですが、数年後には年間数億ドルのビジネスに成長すると見込んでいます。
現在、マーベルの財務状況は、買収活動によって少し混乱しています。第3四半期の売上高は、前年同期比61%増の12億1,000万ドル、純損失は6,100万ドルでしたが、フリーキャッシュフローは1億8,500万ドルの黒字でした。
しかし、来年には、これらの財務上の混乱の一部が収束に向かうと見られます。また、マーベルは、データセンターのアップグレードや新しいクラウド・コンピューティング・サービス、自動車産業の成長が続く中で、2桁台の売上成長を維持することを期待しています。
マーベルはもはや、半導体業界の中において、あまり注目されない企業ではありません。株価は、最近12カ月の売上高対企業価値で20倍、後続12カ月のフリーキャッシュフロー対企業価値で166倍となっています。
フリー・キャッシュ・フローは、今年初めの1四半期にはマイナスになりました。しかし、同社が最近の買収を消化し、データセンターや自動車技術市場でより多くのシェアを獲得するにつれて、割高感は緩和されると思われます。マーベルが今、勢いに乗っていることを考えると、投資の対象として考えることができる銘柄になっています。
*過去記事 「マーベル 予想を上回る決算発表も株価は下落」
コインベース・グローバル(COIN)
デジタル通貨セクターが最近の不況から回復する中、コインベース・グローバルは、特定の暗号通貨を選択することなく、このセクターへのエクスポージャーを増やす最も安全な方法になっています。
コインベースへの投資は、株式においてインデックスファンドを中心に退職後のポートフォリオを構築するように、暗号通貨へのより基礎的な投資となります。
現在暗号通貨の主流を占めるビットコインやイーサリアムが突然時代遅れになってしまうかもしれないリスクがありますが、投資家はコインベース株を所有することでそのリスクをヘッジすることができます。
コインベース株を買うということは、暗号通貨市場への幅広い投資と同義です。暗号通貨セクターが長期的にどのようになるかに関わらず、この銘柄には大きな可能性があります。
*過去記事はこちら 「coin」の検索結果
レンディングクラブ(LC)
2021年の11月初旬まで、レンディングクラブはすべてが順調に進んでいました。同社は予想を上回る好決算を発表し、株価は30ドル台前半からあっという間に49ドル以上にまで上昇しました。
しかし、その後、同社固有のニュースがないにもかかわらず、レンディングクラブは50%以上も売られ、1株あたり24.30ドル程度になっています。
オミクロンや金利上昇への懸念から、投資家は無担保個人ローンを中心とするレンディングクラブのビジネスを見直したようです。
しかし、この市場の判断は合理的なものではないと思われます。最近の雇用や成長率の数字は、オミクロンの流行の中でも堅調に推移しています。
インフレが懸念されますが、不況を引き起こすようなことがあっても、チャージオフに重大な影響を与えるとは思えません。かつては金利がレンディングクラブの資金コストを圧迫していましたが、2月にラディウス・バンクを買収した結果、同社は低コストの預金を利用できるようになりました。
また、ラディウスの買収により、レンディングクラブはバランスシート上により多くのローンを保有することができるようになり、同社がオリジネートした各ローンからより多くの利益を得ることができるようになりました。
大きく下落したレンディングクラブは、2022年の予想利益の14倍というお買い得な評価を受けています。新しいモデルで本領を発揮し、自動車ローンの借り換えなどの新商品を成長させているレンディングクラブは、2022年も健全な成長を遂げるはずで、将来に向けて価値ある価格の成長株となっています。
*過去記事 「レンディングクラブ 消費者金融のイノベーターは今が買い時?」