エヌビディア 暗号の冬も買い場は続く

2021年のこれまでエヌビディア( NVDA)ほど好調な株はあまりありません。そんな絶好調のエヌビディアの前途にこのところ影を投げかけているのが、暗号資産の問題です。

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ビットコイン価格の急落による暗号の冬の到来が、エヌビディアの暗号資産マイニング関係の需要にどのような影響を与えるのか心配する向きが増えているようです。

しかし、不安を抱く必要はないとの見解を、Bank of Americaのアナリスト、Vivek Arya氏が示しました。

同氏は、暗号資産への懸念は誇張されており、エヌビディアのAmpereグラフィックプロセッサユニットの価格が弱含みであることが需要への懸念を煽っていると述べています。

Arya氏はその理由として3つあげています。

1.イーサリアムの採掘者の多くは、エヌビディアの暗号に特化したCMP SKU(プロの採掘者向けのグラフィックカード)を購入しています。これは、最も費用対効果の高いオプションを提供し(特にGeForceの小売価格がMSRPの2~3倍になっているため)、使いやすいからです(旧世代をベースにしているため、新しい製品の生産量を奪うことはありません)

2.エヌビディアのCMP販売とGeForceチップをデハッシュ化した行動は、マイニング需要を実質的に囲い込み、小売価格を最近のピーク時から40%以上引き下げるのに役立ちました。

3.まだAmpereは非常に初期の段階にあり(5.5%の浸透は各新世代の典型的な40-60%のアップグレードをはるかに下回っています)、製品が成熟期にあった2018〜2019年の暗号資産バブルの時とは全く異なり、成長の余地は十分にあります。バブル当時は一つのサイクルが終了し、供給不足はありませんでした。

Arya氏は、現在のレベルから10%のアップサイドを想定し、エヌビディアの目標株価を900ドルとしています。エヌビディアが今後数年間でコンテンツを2倍、データセンターの売上を3倍にすると同氏は見ています。

エヌビディアに対するアナリストの楽観的な見方が続いていますが(Arm社との400億ドル規模の取引が成立する可能性も後押ししています)、暗号資産が圧力を受け続けていることから、株価の押し下げ要因になっていると推測されます。

ビットコイン(BTC-USD)は、4月中旬の63,000ドルを超える史上最高値から約50%下落しました(30,000ドルの水準を下回ることもありました)。米国や中国での規制当局による取り締まりが懸念される中、ドージェコインやイーサリアムなど他の上位暗号資産にも大きな売りが広がっています。

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