半導体製造装置メーカーのアプライドマテリアルズ(AMAT)が4月6日にアナリストデーを開催しました。
4年ぶりとなるアナリスト向け説明会で同社は、人工知能を使ったデータ分析の需要により、半導体市場は今年の半兆ドルから10年後には年間1兆ドルになるとの見通しを披露しました。
20%を超える市場シェアを持つチップ製造装置のリーディングカンパニーである同社は、AIに牽引された半導体工場の設備投資の成長の多くを取り込むことができるとしており、この設備投資額が今年は全世界で700億ドルになると見込まれ、今後の10年間の半ばまでには1000億ドルまで膨れ上がる可能性があると見ているそうです。
投資家が9ドルを期待していた2024年10月期の1株当たり利益を約8.50ドルと案内するなど、発表内容が保守的過ぎるとして説明会のあと、株価が下落しましたが、この会議に出席したアナリストがその後相次いで発表したレポートでは高評価が相次いでいます。
ニューストリートリサーチ社のアナリストであるピエール・フェラグ氏は、ミーティング後のレポートで、アプライド マテリアルズの幅広い製品群は、市場シェアを獲得する上で最適なポジションにあると述べています。
シュティフェル社のパトリック・ホー氏は、AIコンピューティングのブームは、マイクロプロセッサーのような「ロジック」チップとメモリーチップを必要とするだろうと述べ、製造装置メーカーの中でアプライドマテリアルはこの両カテゴリーのバランスが良く、売上が半々になっていることを指摘して評価しています。同氏は、2022年10月期のEPSを6.57ドルと予想し、アプライド マテリアルズを「買い」、目標株価を160ドルとしています。
J.P.モルガンのハーラン・サー氏は、アプライド マテリアルズを同様に強気のオーバーウェイトとしています。目標株価は146ドルと控えめですが、これは2022年10月期のEPSを6.65ドルと予想し、その22倍の倍率に基づいたものです。この倍率は過去の同社や同業他社のものとほぼ同じですが、「今後数年間で桁違いの収益成長」を実現すると同氏は見ています。
UBSのアナリストであるティモシー・アーキュリーは説明会の後も、それまでの「ニュートラル」の評価と目標株価127ドルを維持しました。同氏は、昨年アプライド マテリアルズの株価が40ドルで取引されていたときからニュートラルの評価をしていますが、それでも同社が2024年度のEPSガイダンスの中間点である8.50ドルを超えるだろうと予測しています。同氏はライバルであるラム・リサーチ(LRCX)の方がアプライドマテリアルの半分の倍率で取引されているためよりお買い得だと考えており、ラムに対して「買い」推奨を行っています。