2026年11月4日(水)の米国株式市場は、中間選挙で民主党が上下両院の過半数を獲得したことを受け、政治的不透明感の後退から主要3指数がそろって大幅上昇しました。ダウ平均は1,569.40ドル(3.03%)高の53,356.12ドルと、選挙翌日として1982年以来最大の上昇を記録しました。S&P500は1.58%高の7,688.62、ナスダック総合指数は1.44%高の25,736.51で取引を終えました。
一方、AIデータセンター建設への規制強化懸念から、半導体株、光通信関連株、電力関連株が下落しました。市場では、選挙結果を受けた株価上昇は行き過ぎとの見方もあり、今後の値動きが不安定になる可能性が指摘されています。
以下は、4日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
キンドリル(KD)
株価変動: +34.81%
詳細: 企業向けITインフラの運用・近代化やクラウド関連サービスを手がける企業です。2027年度第2四半期の売上高は約37億ドルと前年同期比1.9%減少しましたが、調整後EPSは0.42ドルと利益が改善しました。大手クラウド事業者関連の売上高は27.2%増加し、直近12カ月間の契約獲得額は155億ドルに達しました。AIを活用したシステム刷新需要と収益性改善への期待が高まり、株価が急騰しました。
デュオリンゴ(DUOL)
株価変動: +25.99%
詳細: 語学学習アプリ「Duolingo」などを展開する教育テクノロジー企業です。第3四半期の売上高は前年同期比14%増の3億900万ドルとなり、市場予想を上回りました。デイリーアクティブユーザー数は29%増の6,490万人、有料契約者数も14%増の1,310万人となりました。利用者数の成長が再加速したことに加え、有料サービスの収益化拡大への期待が高まり、株価が大幅に上昇しました。
ブロック(XYZ)
株価変動: +15.26%
詳細: 決済サービス「Square」や個人向け金融アプリ「Cash App」を展開するフィンテック企業です。第3四半期の売上高は67億2,000万ドル、調整後EPSは1.13ドルとなり、いずれも市場予想を上回りました。Cash Appの粗利益は前年同期比27%増加し、Squareの決済取扱高も成長が加速しました。AIを活用した業務効率化やコスト管理の改善に加え、通期業績見通しの引き上げが評価され、株価が急騰しました。
マイクロソフト(MSFT)
株価変動: +6.68%
詳細: クラウドサービス「Azure」や生成AI、業務用ソフトウェアを展開する大手テクノロジー企業です。中間選挙後はAIデータセンターの新規建設規制によって、既存の大規模クラウド基盤を持つ企業の優位性が高まるとの見方が広がりました。設備投資負担の軽減やキャッシュフロー改善への期待も株価を押し上げました。
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マクドナルド(MCD)
株価変動: +6.52%
詳細: 世界的なファストフードチェーンを展開する企業です。第3四半期決算では、米国内の既存店売上高が前年同期比0.2%減少した一方、世界全体では1.5%増加しました。調整後EPSは3.57ドルとなり、市場予想を上回りました。米国では低価格メニューや販売促進策の効果が表れ始めており、今後の客足回復への期待が高まりました。海外事業の底堅さと利益率の改善も評価され、株価が上昇しました。
アマゾン(AMZN)
株価変動: +6.12%
詳細: 電子商取引やクラウドサービス「AWS」、広告、物流などを展開する企業です。中間選挙後はAIデータセンター建設への規制強化によって、既存の大規模インフラを保有するAWSの競争優位性が高まるとの期待が広がりました。巨額の設備投資負担の軽減やキャッシュフロー改善への期待も買い材料となりました。
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ノボ・ノルディスク(NVO)
株価変動: +4.94%
詳細: 糖尿病治療薬や肥満症治療薬を開発・販売するデンマークの大手製薬企業です。第3四半期決算では、肥満症治療薬の販売拡大が業績を支えました。特に経口型の肥満症治療薬「Wegovy」の売上高が約54億デンマーククローネとなり、好調な需要が確認されました。同社はGLP-1関連製品の成長を背景に通期業績見通しを引き上げました。経口薬の普及による市場拡大と収益成長の持続への期待から、株価が上昇しました。
ウーバー・テクノロジーズ(UBER)
株価変動: +4.49%
詳細: 配車サービスと料理・日用品の配達サービスを世界各国で展開する企業です。第3四半期の売上高は前年同期比10%増の148億ドル、調整後EPSは0.88ドルとなりました。総取扱高は20%増の598億ドルに達し、配車事業は18%増、配達事業は22%増と好調でした。両事業の成長による収益基盤の強化に加え、自動運転サービスの商用展開や利益率改善への期待も高まり、株価が上昇しました。
テスラ(TSLA)
株価変動: -3.34%
詳細: 電気自動車や蓄電池、エネルギー関連製品などを開発・販売する企業です。イーロン・マスクCEOは中間選挙で共和党候補の支援に約5億ドルを投じたと報じられましたが、民主党が上下両院の過半数を獲得しました。テキサス州の重要な選挙でも民主党が勝利しました。マスク氏とトランプ政権との関係や、今後の電気自動車政策、規制環境への影響を巡る不透明感が意識され、株価が下落しました。
スペースX(SPCX)
株価変動: -3.81%
詳細: ロケット打ち上げや衛星通信サービス「スターリンク」を展開する宇宙開発企業です。イーロン・マスクCEOは中間選挙で共和党候補を支援しましたが、民主党が上下両院の過半数を獲得しました。同社は米国政府との契約が重要な事業基盤の一つであるため、民主党主導の議会による政府契約の監視強化や宇宙・通信関連政策の変更が警戒されました。政治環境の変化による事業への影響を懸念する売りが広がりました。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)
株価変動: -5.70%
詳細: AIサーバーやデータセンター向けコンピューターシステムを提供する企業です。2027年度第1四半期の売上高は前年同期の50億ドルから199億ドルへ大幅に増加し、調整後EPSも0.35ドルから1.81ドルへ拡大しました。しかし、中間選挙後にAIデータセンター建設規制の強化が警戒され、関連インフラ株に売りが広がりました。好決算による買いよりも設備投資減速への懸念が優勢となり、株価が下落しました。
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ブルーム・エナジー(BE)
株価変動: -6.38%
詳細: 固体酸化物形燃料電池を活用した分散型発電システムを開発・販売する企業です。AIデータセンター向けの電力需要拡大を背景に成長が期待されており、送電網の整備を待たずに電力を供給できる点が強みです。しかし、中間選挙後はデータセンター建設規制の強化が警戒され、関連インフラ株に売りが広がりました。建設計画の延期や電力設備への投資減速が将来の受注拡大に影響するとの懸念から、株価が下落しました。
ロッキード・マーチン(LMT)
株価変動: -6.95%
詳細: 戦闘機、ミサイル、防衛システムなどを製造する米国最大級の防衛関連企業です。中間選挙で民主党が上下両院の過半数を獲得したことを受け、トランプ大統領が掲げる軍事支出拡大構想の実現が難しくなるとの見方が広がりました。議会による予算審議が厳しくなり、防衛装備品の調達や新規契約に影響する可能性も意識されました。国防予算の大幅な増額への期待が後退し、防衛関連株の中でも大きく下落しました。
マイクロン・テクノロジー(MU)
株価変動: -7.00%
詳細: DRAMやNAND型フラッシュメモリーを製造する米国の大手半導体メーカーです。AIデータセンター向け高帯域幅メモリー(HBM)の需要拡大が期待されていますが、11月4日は半導体関連株全体に売りが広がりました。中間選挙の結果を受けてデータセンター建設規制の強化や設備投資の減速が警戒されました。長期的なAI向けメモリー需要への期待は残るものの、短期的な投資拡大ペースへの懸念から株価が下落しました。
コアウィーブ(CRWV)
株価変動: -9.90%
詳細: エヌビディア製GPUを活用したAI向けクラウドサービスを提供する企業です。中間選挙後はデータセンター建設規制の強化による稼働開始の遅れや投資回収への影響が出ると警戒されました。11月10日の決算発表を控え、株価が大きく下落しました。
CVSヘルス(CVS)
株価変動: -12.52%
詳細: 薬局チェーン、医療保険、医療サービスなどを展開する米国の大手ヘルスケア企業です。第3四半期の売上高は前年同期比5.4%増の1,084億ドル、調整後EPSは2.09ドルとなり、市場予想を上回りました。しかし、同社は薬局事業と医療保険・薬剤給付管理事業を分離する大規模な事業再編計画を発表しました。2028年上半期を目指す分割に伴う費用負担や収益構造への影響が不透明なことから、株価が急落しました。
バーティブ・ホールディングス(VRT)
株価変動: -12.89%
詳細: AIデータセンター向けの電力供給設備や冷却システムを提供する企業です。中間選挙後はテキサス州などでデータセンター建設規制が強化されるとの懸念が広がりました。新規建設の遅れや設備投資の減速が将来の成長に影響するとの警戒感から株価が急落しました。
データドッグ(DDOG)
株価変動: -14.42%
詳細: クラウド環境の監視やアプリケーションの性能管理、セキュリティ関連サービスなどを提供する企業です。第3四半期の売上高は前年同期比35%増の約12億ドル、調整後EPSは0.81ドルとなり、市場予想を上回りました。しかし、第4四半期の売上高見通しは11億9,000万〜12億ドルにとどまりました。大口AI関連顧客の利用動向や2027年にかけての成長鈍化が懸念され、好決算にもかかわらず株価が急落しました。
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モディーン・マニュファクチャリング(MOD)
株価変動: -21.43%
詳細: 産業機器やAIデータセンター向けの熱管理・冷却システムを提供する企業です。2027年度第2四半期の売上高は前年同期比35%増の9億9,440万ドルとなり、データセンター部門の売上高は95%増加しました。しかし、中間選挙後はAIデータセンター建設規制の強化によって、冷却設備の受注拡大が鈍化するとの懸念が広がりました。好調な決算よりも今後の設備投資減速リスクが重視され、株価が急落しました。
フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ(FIS)
株価変動: -23.65%
詳細: 銀行や金融機関向けの決済処理、金融システム、テクノロジー関連サービスを提供する企業です。第3四半期の売上高は前年同期比27%増の約35億ドル、調整後EPSは1.61ドルとなりました。しかし、2026年通期の調整後EPS見通しを従来の6.15〜6.24ドルから5.82〜5.89ドルへ引き下げました。さらにCFOの退任も発表され、利益成長の鈍化と経営体制の変更への警戒感から株価が急落しました。
トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(DJT)
株価変動: -24.54%
詳細: SNS「Truth Social」などを運営するトランプ大統領関連のメディア企業です。中間選挙で民主党が上下両院の過半数を獲得したことを受け、トランプ大統領の政治的影響力や政策推進力が弱まるとの見方が広がりました。同社はトランプ大統領との結びつきが強く、政治情勢の変化が投資家心理に影響しやすい特徴があります。選挙結果を受けた政権の求心力低下への懸念から売りが集中し、株価が急落しました。
アムドックス(DOX)
株価変動: -30.07%
詳細: 通信事業者向けの顧客管理、料金請求、業務支援システムなどを提供するソフトウェア企業です。2026年度第4四半期決算では、主要顧客であるTモバイルUS(TMUS)との契約を巡る対立が明らかになりました。両社は契約違反について互いに通知しており、契約終了や金銭的請求につながる可能性があります。同社はこうした不透明感を2027年度の業績見通しに織り込みました。主要顧客との取引悪化による収益への影響が懸念され、株価が急落しました。
情報ソース
- Reuters:Wall Street rises after Democrats win Congress; data center stocks tumble
- Reuters:AI data-center stocks slide, renewables rally after Democratic US midterm sweep
- Reuters:Democrats’ midterm sweep fuels $750 billion Big Tech rally
- MarketWatch:Microsoft and Amazon combine for a $400 billion market-cap boost
- Associated Press:US stocks surge following the midterm elections
- Barron’s:SpaceX, Tesla, Micron, AMD, Lockheed, CVS, DJT, and More Stocks That Explain Today’s Market
- Barron’s:Why a Democratic Sweep Is Crushing GE Vernova and More Industrial Stocks
- Stock Analysis:米国株価・市場データ
- マイクロソフト公式IR:2027年度第1四半期決算
- アマゾン公式IR:2026年第3四半期決算
- コアウィーブ公式IR:2026年第2四半期決算
- コアウィーブ公式IR:第3四半期決算発表予定
- Investing.com:Why is CoreWeave stock sliding today?
- キンドリル公式IR
- デュオリンゴ公式IR
- スーパー・マイクロ・コンピューター公式IR
- ノボ・ノルディスク公式
- マクドナルド公式IR
- CVSヘルス公式
- バーティブ・ホールディングス公式IR:2026年第3四半期決算
- FIS公式IR
- モディーン公式IR
- アムドックス公式IR
*過去記事 株価変動