AI相場は、次の段階に入りつつあるのかもしれません。
これまでAI投資の中心にあったのは、エヌビディアやブロードコムをはじめとする半導体企業や、データセンターなどのAIインフラ関連企業でした。
しかし、マーケットウォッチが9月24日に紹介したモルガン・スタンレーの分析では、今後はAIを実際の事業に活用し、生産性向上やコスト削減につなげる企業にも投資対象を広げることが重要だとしています。
モルガン・スタンレーが提案しているのは、AIインフラ企業とAI活用企業の双方を保有する「バーベル型」の投資戦略です。
AIインフラ株はまだ終わっていない
AI投資の対象が広がるからといって、半導体株の成長が終わったという意味ではありません。
モルガン・スタンレーは、データセンター向け半導体の需要は依然として非常に強いとみています。
代表的な銘柄として挙げられているのが、エヌビディア(NVDA)とブロードコム(AVGO)です。
AIモデル開発企業や大手クラウド企業による設備投資は続いており、AIに必要な計算能力への需要は、今後も供給を上回る可能性があります。
特にAIデータセンターの建設には、電力不足、送電網の制約、地域住民の反対、政治的な問題など多くのハードルがあります。
供給能力を短期間で拡大することが難しいため、AI半導体や関連設備への高い需要が長期化する可能性があります。
一方で、AIインフラ関連株はこれまで大きく上昇してきただけに、今後はすべての銘柄が同じように上昇するのではなく、業績や競争力を見ながら選別する必要性も高まっています。
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次の焦点はAIを支えるソフトウェア
モルガン・スタンレーは、次の投資先としてAIを支えるソフトウェア企業にも注目しています。
具体的には、マイクロソフト(MSFT)、スノーフレーク(SNOW)、データドッグ(DDOG)、クラウドフレア(NET)、ダイナトレース(DT)などです。
これらの企業は、クラウド、データ管理、ネットワーク、システム監視といったAIアプリケーションを動かすために必要なソフトウェア基盤を提供しています。
企業によるAI導入が本格化すれば、AIモデルそのものだけではなく、大量のデータを保存・処理・管理するためのサービスへの需要も増えていきます。
AI相場の対象が半導体からソフトウェアへ広がる可能性があるという点は、今後の投資を考えるうえで重要です。
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AIを使って利益を生み出す企業に注目
さらに注目したいのが、AIを「作る企業」ではなく、AIを「使う企業」です。
モルガン・スタンレーがその代表例として紹介しているのがエアビーアンドビー(ABNB)です。
エアビーアンドビーではAIアシスタントを顧客対応に導入しており、問い合わせの約40%を人間の担当者を介さずに処理できるようになったとしています。
これはAIが単なる技術投資ではなく、人件費削減や業務効率化という具体的な成果につながり始めている例です。
ヘルスケア分野ではアイリズム・テクノロジーズ(IRTC)が取り上げられています。
同社はAIの活用によって、医療従事者が医療記録を確認する時間を大幅に短縮できるとしています。
AIの価値がGPUの販売だけでなく、実際の企業活動における生産性向上として表れ始めていることが分かります。
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AI関連株の範囲はさらに広がる
モルガン・スタンレーが前向きに評価しているAI活用企業は、テクノロジー業界だけではありません。
ホーム・デポ(HD)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、GEエアロスペース(GE)、コカ・コーラ(KO)なども対象に含まれています。
小売、消費財、航空宇宙、飲料といった幅広い業界でAIの活用が進めば、「AI関連株」という言葉の意味そのものが変わってくる可能性があります。
これまではAI関連株といえば、半導体、クラウド、データセンター関連企業が中心でした。
しかし今後は、AIによって業務を効率化し、利益率を改善できる企業もAI投資の対象として評価される可能性があります。
重要なのは、企業がAIを導入しているかどうかではありません。
AIを活用して売上拡大、コスト削減、生産性向上といった具体的な成果を出せるかが重要になります。
AI相場は第2段階へ
今回のマーケットウォッチの記事で興味深いのは、半導体株から別の業界へ完全に乗り換えるという話ではない点です。
モルガン・スタンレーは、エヌビディアやブロードコムなどAIインフラ企業の成長余地を認めながら、AIを利用して利益を伸ばす企業にも投資対象を広げることを提案しています。
これまでのAI相場では、GPU、半導体、データセンターへの巨額投資が株価上昇の中心になってきました。
しかし次の段階では、そのAIインフラを使って企業がどれだけ利益を増やせるかが重要になります。
今後は「どの企業がAIを作っているのか」という視点だけでなく、「どの企業がAIを使って利益を増やしているのか」という視点も必要です。
AIインフラ企業とAI活用企業を組み合わせるモルガン・スタンレーの「バーベル戦略」は、AI相場の次の波を考えるうえで参考になりそうです。
情報ソース: MarketWatch: “Here’s how to position your portfolio for the next AI wave, according to Morgan Stanley” (By Hannah Pedone, Sept. 24, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。