サンディスク徹底分析:株価乱高下の中でウォール街が強気姿勢を崩さない理由

  • 2026年7月14日
  • 2026年7月14日
  • BS余話

2025年2月にウエスタンデジタルからスピンオフしたサンディスク(SNDK)は、AI関連銘柄として株式市場から大きな注目を集めています。

2026年に入ってからの株価上昇は極めて大きく、年初来の上昇率は600%を超えました。一方、足元では株価が短期間に急落と急反発を繰り返しており、値動きの激しさに警戒感を持つ投資家も増えています。

しかし、こうした株価の乱高下にもかかわらず、ウォール街のアナリストは強気姿勢を崩していません。むしろ、目標株価を大幅に引き上げる動きも見られます。

本記事では、2026年7月13日付のバロンズの報道をもとに、サンディスク株が激しく変動している理由と、アナリストが強気な見方を続ける背景を分析します。

年初来600%以上上昇したサンディスク株

サンディスクの株価は、2026年に入ってから600%以上上昇しています。AIデータセンターの拡大によって、データ保存に使われるストレージ製品の需要が急速に増えるとの期待が、株価を大きく押し上げました。

ただし、7月に入ってからの値動きは非常に不安定です。

月初から最初の4営業日で株価は29%下落しましたが、その後の3営業日では18%反発しました。さらに7月13日の午後1時30分過ぎの段階では12%急落し、1,686ドルあまりで取引されています。

わずか数日間で大幅な下落と反発を繰り返していることから、市場ではサンディスクの適正な株価水準を見極める動きが続いています。

株価乱高下の背景にある利益確定売り

足元の急落は、サンディスクの事業環境が急速に悪化したことを直接示すものではありません。

むしろ、年初から株価が短期間で大きく上昇したことによる利益確定売りの影響が大きいと考えられます。

600%以上の株価上昇は、AIストレージ市場の成長期待をかなり先まで織り込んだ水準です。株価が上昇するほど、機関投資家や短期投資家が利益を確定する動きも強くなります。

一方、大幅に下落した場面では、成長性を評価する投資家による押し目買いが入りやすくなります。

現在のサンディスク株は、利益確定売りと押し目買いが激しく交錯する価格調整局面にあると考えられます。

今後は、AI関連需要への期待だけではなく、実際の売上高や利益の伸びが現在の株価水準に追いつけるかが重要になります。

アナリストの79%が買いを推奨

株価が大きく変動する一方で、ウォール街のアナリストは強気姿勢を維持しています。

サンディスクを担当するアナリストの79%が買いを推奨しており、2025年2月のスピンオフ以降で最も高い水準となっています。

特に注目されるのが、エバコアISIによる目標株価の大幅な引き上げです。

エバコアISIは、サンディスクの目標株価を従来の1,400ドルから3,100ドルへ2倍以上引き上げました。さらに、強気のケースでは4,000ドルまで上昇する可能性を示しています。

シティも目標株価2,500ドルを維持しました。同社はサンディスクに加えて、シーゲイト・テクノロジー(STX)とウエスタンデジタル(WDC)についても、今後90日間の短期的な強気見通しを示しています。

AIデータセンターがストレージ需要を押し上げる

アナリストが強気な理由は、サンディスクが単なるメモリー製品メーカーではなく、AIインフラを支える重要企業として評価され始めているためです。

生成AIの普及に伴い、企業やクラウド事業者が扱うデータ量は急速に増えています。AIモデルの学習や推論では大量のデータを保存し、必要に応じて高速で読み書きするストレージ設備が欠かせません。

そのため、データセンター向けのNANDフラッシュメモリーやSSDの需要拡大が期待されています。

シティがサンディスクだけでなく、HDDを手がけるシーゲイト・テクノロジーやウエスタンデジタルにも強気な見方を示している点は重要です。

特定の企業だけではなく、AIによるデータ保存需要の増加がストレージ業界全体の追い風になっていることを示しています。

需要が供給を上回る状況が続けば、サンディスクは販売価格を引き上げやすくなります。製品価格の上昇と出荷量の増加が同時に進めば、売上高だけでなく利益率やキャッシュフローの改善も期待できます。

次回決算が株価の最大の試金石

今後の株価を左右する重要なイベントが、来月初旬に予定されている決算発表とインベスター・デーです。

現在の株価は1,600ドル台ですが、アナリストの目標株価は2,500ドルから3,100ドルに設定されています。

この大きな上昇余地を正当化するには、次回決算でAIデータセンター向け需要が実際の売上高と利益にどの程度貢献しているのかを示す必要があります。

市場が注目するのは、売上高や1株利益だけではありません。NAND価格の見通し、データセンター向けSSDの出荷状況、利益率の改善、顧客との長期契約なども重要な確認材料になります。

決算後に開催されるインベスター・デーでは、経営陣が2027年以降の成長戦略をどのように説明するかが焦点です。

長期的な供給契約や需要の見通し、設備投資方針、利益成長の可視性が示されれば、現在の激しいボラティリティが落ち着き、株価が再び上昇トレンドに戻る可能性があります。

一方、業績見通しが市場の高い期待に届かなければ、割高感が意識され、株価調整が長期化するリスクもあります。

まとめ

サンディスク株は、年初から600%以上上昇した反動によって、激しい価格調整局面に入っています。

短期的には利益確定売りや投資家心理の変化によって、株価の大きな変動が続く可能性があります。

しかし、AIデータセンターの拡大によってストレージ需要が増加するという中長期的な成長テーマは維持されています。ウォール街のアナリストが強気姿勢を崩していないのも、こうした構造的な需要拡大を評価しているためです。

今後の最大の注目点は、来月初旬の決算発表とインベスター・デーです。

現在の株価と強気な目標株価を正当化できる業績や成長見通しが示されるかどうかが、サンディスク株の次の方向性を決める重要な分岐点になります。

情報ソース: Barron’s: “Sandisk Just Had Its Price Target More Than Doubled by This Analyst. Why the Stock Is Falling.” (By Callum Keown, July 13, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

*過去記事「3,200%上昇でも終わらない?サンディスク株が再び注目される3つの理由

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